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「恋妻家宮本」 2017

恋妻家宮本

★★★☆☆

 

あらすじ

 中年の教師は、子供が巣立ち、妻と二人きりになったことに戸惑う。

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 阿部寛、天海祐希、菅野美穂ら出演。重松清の小説が原作。タイトルの読みは「こいさいかみやもと」。117分。

 

感想

 子供が出来て結婚し、その子供が巣立って妻と二人きりになったことに戸惑う中年の男が主人公だ。夫婦といえども常に子供がいるので二人きりで過ごしたことはほぼなく、50歳になって初めて妻と向き合うことになった。そんな夫婦もあるのかと興味深い。

 

 どこか気まずさも覚えながら過ごしていた主人公は、妻が書いた離婚届を偶然発見して動揺する。序盤はそんな主人公の様子がコミカルに描かれるのだが、あまりうまくいっていない印象だ。ファミレスの中だけで主人公の半生を紹介する冒頭の演出は巧みだったが、いきなり時間をかけたことで重苦しくなってしまったことも影響しているのかもしれない。

 

 

 予期せぬ一大事が起きたにもかかわらず、その後はその件ではなく、学校の生徒の問題に取り組む主人公の奮闘ぶりが中心になっていく。この展開は解せなかった。たしかに生徒も大事だが、自分の人生のほうがもっと大事なはずだ。物語に広がりを持たせたかったのは分かるが、基本は妻との関係で、それが仕事にも波及効果を与えていく構成にした方が自然だったような気がする。中盤はあまり妻とのやり取りもなく、まるで教師ものでも見ているような感覚になった。

 

 終盤にようやく夫婦間の物語にも動きが出て、それらしくなってきた。二人がそれぞれの想いを口にして絆を深めるクライマックスは悪くない。笑いもそこそこだ。きっと主人公くらいの年齢の夫婦だったら、もっと心に染みて楽しめるのだろう。タイトルから想像するような夫婦の恋愛物語というよりは、中年を迎えて人生の終盤を意識するようになった男の物語、といったほうがふさわしいような映画だ。

 

 一応のハッピーエンドにはなったが、夫婦のどちらかは最後に一人残され、結局は孤独に暮らすことになるのかと思うとなんだか寂しい気持ちになってしまう。幸福な最期を迎えるのは案外難しそうだ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 遊川和彦

 

原作 ファミレス 上 (角川文庫)

 

出演 阿部寛/天海祐希/菅野美穂/相武紗季/奥貫薫/佐藤二朗/工藤阿須加/早見あかり/浦上晟周/富司純子/佐津川愛美/渡辺真起子

 

音楽 平井真美子

 

ファミレス (小説) - Wikipedia

 

 

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