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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「マリアンヌ」 2016

マリアンヌ(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 第二次大戦中、任務のために夫婦のフリをした相手と結婚したスパイの男は、妻に二重スパイの容疑がかかっていることを告げられる。

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 原題は「Allied」。

 

感想

 スパイの主人公が、夫婦を装い敵国の組織に潜入するために、妻役を務める女性と初対面するところから物語は始まる。これがこの女性の魅力が十二分に伝わってくるような素晴らしいシーンで、一発でそれを表現できてしまうマリオン・コティヤールはさすがだった。主人公は彼女に密かに惹かれながらも任務に集中しようとする。

 

 困難に思えた任務が無事終了し、二人は結婚することになる。だが、二人が惹かれ合っていることは気付いていたが、まさか結婚するまでとは思わなかった。彼らは仕事として何度も似たようなことをしているから慣れているのだろうと思っていたが、案外と中学生みたいに純情で単純だった。ただ、戦時中のいつ死ぬかも分からな切羽詰まった状況下では、やせ我慢してカッコつけている場合ではなかったのだろう。

1/3の純情な感情

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 その後子供も生まれ順調で幸せな結婚生活を送っていた主人公だったが、妻に突然二重スパイ容疑が持ち上がる。そして悲劇的な展開へとなっていくが、なぜかあまり心を揺さぶられることはなかった。主人公が疑惑に驚き、不安や猜疑心が芽生えて心が揺れる様子がしっかりと描かれていないからだろう。彼の中で様々な感情が渦巻いていることは分かるのだが、いつの間にかそうなっているだけだ。いつそうなったのか、その過程が分からないので共感できず、彼に歩調を合わすことができなかった。ただの傍観者として彼のあとをついていくしかない。

 

 

 それから物語が順当に進み過ぎることにも戸惑いがあった。夫婦のフリをした二人が恋に落ちてしまうとか、スパイ容疑をかけられた人物がスパイだったとか、そんなベタなわけはないだろうと身構えていたのに、見事に肩透かしを食らってしまった。仮にそうだったとしても、紆余曲折あったならまだ理解できるのだが、すんなりとそうなってしまうから逆に素直に受け止められなかった。

 

 ラストは悲劇的で確かに悲しかったが、そこに至るまでの過程にメリハリがなさ過ぎた。ヌルヌルと物語が進んでしまい、曖昧な感情を抱えたままでそれを眺めるだけだった。時間配分もバランスが悪く、何をいちばん描きたかったのかも見えなかった。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 ロバート・ゼメキス

 

脚本 スティーヴン・ナイト

 

出演

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マリオン・コティヤール/ジャレッド・ハリス/サイモン・マクバーニー/リジー・キャプラン/ラフィー・キャシディ/マシュー・グッド/アントン・レッサー/アウグスト・ディール/カミーユ・コッタン

 

音楽 アラン・シルヴェストリ

 

 

マリアンヌ(字幕版)

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マリアンヌ (映画) - Wikipedia

 

 

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