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「9人の翻訳家 囚われたベストセラー 」 2019

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 ベストセラー小説の最新刊が世界同時発売されることになり、流出防止のために各国の翻訳者たちが一ヶ所に集められ、監視下での作業が始まる。

www.youtube.com

 

 オルガ・キュリレンコら出演。105分。

 

感想

 9人の翻訳家が軟禁状態で作業を行う中で発生した事件を描く物語だ。状況も面白いし、密室でもあり、期待感が高まる。9人の翻訳家は各国からやってきているが、翻訳家なので皆フランス語が堪能で、コミュニケーションに問題がないのもよく出来た設定だ。

 

 また、単純に時系列に沿って進行するのではなく、事件後の話や過去の回想が途中で挿入される展開となっている。散りばめられたピースがどのようにはまっていくのかと、事件の全容への興味をかきたてる巧みな構成だ。そして、次から次へと新たな事実が明らかになる驚きのシーンの連続に、集中力が途絶えることはない。

 

 

 設定も構成も展開も申し分なくよく出来ている。しかし、そこまで心躍らない。おそらくは演出にメリハリがないせいだろう。各パートの描き方が不十分で、次のパートへの移行もぼんやりとしている。おかげで新たなフェーズに入ったことに最初は気付かず、途中でどうやら今問題になっているのはこのことらしい、とようやく理解するようになる。ちゃんと見ているのにいつも物語の流れに乗り遅れたような気にさせられて、気分よく見ることができない。

 

 今は事件が起きて戸惑っている場面です、今はこの中の誰が犯人なのだ?と疑心暗鬼になっている場面です、等とすぐに分かるような演出が欲しかった。よく考えると、9人の翻訳家たちが何語を担当しているのかすら、はっきりと把握できていない。流れの中で、この人は多分ギリシャ、この人はデンマーク?と、なんとなくあたりをつけていく感じになっている。すべてがこんな感じで物語は進行していく。

 

 犯人の動機が分かりづらかったり、犯行の経緯に疑問点があったりと、ストーリー自体にも気になる点は多い。そもそも犯人のターゲットになった男も、そこまで悪い奴か?というのもある。そういう人物も業界には必要だろう。

 

 思っていたほどには面白くならない映画だ。キレが悪い。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 レジス・ロワンサル

 

脚本 ダニエル・プレスリー/ロマン・コンパン

 

出演 ランベール・ウィルソン/オルガ・キュリレンコ/アレックス・ロウザー/エドゥアルド・ノリエガ/シセ・バベット・クヌッセン/リッカルド・スカマルチョ/パトリック・ボーショー/フレデリック・チョーデリック・チョー

 

音楽 三宅純

 

9人の翻訳家 囚われたベストセラー - Wikipedia

 

 

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