★★★☆☆
あらすじ
独立部隊を率いて、大使館に立てこもったテロリストたちを制圧した女は、同じ時刻に内閣総理大臣が殺されたことを知る。
士郎正宗原作、冲方丁脚本のアニメ作品。全4部からなる「攻殻機動隊 ARISE」の続編。100分。
感想
独立部隊を率いる女が主人公だ。総理大臣暗殺事件が発生し、その犯人を追う。しかし、主人公らが大使館のテロリストを制圧している間にそれが起きたことは分かったが、その後の展開は何をしているのだかさっぱり分からなかった。
前編にあたる「攻殻機動隊 ARISE」もちゃんと見たのだが、その時点ですでに攻殻機動隊の独特の世界観に相当うんざりしていたので、残念ながらそうなるのも当然だった。
攻殻機動隊は、何度かの世界大戦を経て、国や社会システムが変容した近未来を舞台に、義体化・電脳化した人々が暮らすハイテク社会で起きる事件を解決していく物語だ。独自の用語や設定、また哲学、宗教、社会思想などが盛り込まれ、それらをいちいち説明することなくテンポよく進行していく。
その世界観が、オリジナリティあふれる独特の雰囲気を生みだし、ストーリーがよく分からなくても、なんとなくカッコいい、スゲーと思わせるものにしている。そして、一度見てもよく分からないから、もっと詳しく知りたいから何度も見たくなる。結果として、雰囲気だけで楽しんでいる人から、深く理解している人まで、幅広いファンを魅了する作品となっている。
そんなシリーズの魅力はよく理解できるのだが、ベースとなる話はオーソドックスな話だったりするので、自分にはそれを衒学的な演出で煙に巻いているような気がしてしまう。聞きなれない横文字をやたら多用する胡散臭いコンサルタントに出くわしてしまった時のようなしんどさがあって、もっと分かる言葉で分かりやすく伝えてくれればいいのに、と歯がゆさを覚える。特に、解説的な言葉で埋め尽くされるようなシーンが続くと、しんどくて体が拒絶反応を示してしまう。
ライト層のハートを掴むためには、難解な世界観を理解している気にさせる必要がある。置いてけぼりにしない程度に突っ走るというバランスを保つのは大変そうだ。シリーズの中で評判が悪い作品は、きっとそこを失敗しているのだろう。一度くらい、「東亜連合経済体とは…」「攻性防壁とは…」と、その都度、用語をゆっくり丁寧に説明する作品を作ってほしい気もする。それはそれで、いちいちうるさいとか、テンポが台無しとか言われてしまうのかもしれないが。
展開について行く気がせず、理解できたかどうかは関係なく権威主義的にただ物語を受け入れるのみだったので、特に感想はないのだが、いつもは難民問題など現代社会とリンクするような問題をテーマに取り入れていたのに、今回は特にこれといったものはなかったように感じる。公安9課結成に至る自分たちの物語にフォーカスしたからかもしれないが、スケール感はおとなしくなったような気がしないでもない。
スタッフ/キャスト
総監督 黄瀬和哉
監督 野村和也
脚本 冲方丁
出演 坂本真綾/松田健一郎/新垣樽助/NAOTO
音楽 コーネリアス

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