★★☆☆☆
あらすじ
ひょんなことから秘薬を運ぶ隊に警護として加わることになった若者。
感想
冒頭は座頭市だったりキリストのパロディをする本筋とは全く関係のないコント集で、これ何の時間?と思ってしまった。でもコントというよりは、チャップリンのようなサイレント時代の喜劇を意識してやっているのかもしれない。チャップリンというよりも、様々な映画のアクションでジャッキーが参考にしているらしいので、バスター・キートンか。確かにサイレント時代の喜劇役者たちはよく見るとかなり過激なアクションをやっている。
そんな出だしから分かるように、カンフー映画というよりもカンフーを題材にしたコメディ映画といった内容だ。とにかく各シーンで笑いを取ろうとしている。ただ、下ネタやお色気ネタ、ドタバタといった老若男女が理解できる分かりやすいベタベタな笑いなだけに、あまり笑えない。
それでも格闘シーンでコミカルながらも凄みを見せつけるのがジャッキー映画なのだが、肝心のそのシーンでも終始ふざけてしまっている。しかも相手もふざけているならまだしも、主役サイドだけがふざけているのでイメージが悪いというか、バランスが悪いというか。だからコメディ強めの映画と言われても納得できない部分がある。まだジャッキー映画のフォーマットが出来上がっておらず、試行錯誤の作品と言えるかもしれない。
ただ戦いの最中に散らばった奥義の書を読んで、少しずつ強くなっていくというのは面白いアイデアだった。またこれはたぶん全然笑わせるつもりはなくやっているのだと思うが、ピンク色の髪で三つ編みの男が何かのアニメのコスプレで女装しているように見えたり、キム・チンラン演じる女性がブルゾンちえみに見えたりと、キャラクターたちに不思議な存在感があった。
ジャッキーチェンはやっぱり、面白くて強くてカッコ良くないとな、と思わせられる作品だ。彼が面白いだけでは映画的にはあまり面白くなく、締まらない。
スタッフ/キャスト
監督 チェン・チーホワ
製作総指揮 ロー・ウェイ
出演
ジェームス・ティエン/ディーン・セキ/*ウー・マ
*クレジットなし
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