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「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」 1988

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

★★★☆☆

 

あらすじ

 惑星を落下させ、地球を核の冬にすることを目論むネオジオン軍の総帥シャアと、それを阻止しようとする地球連邦軍のアムロ・レイ。

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 人気テレビアニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの劇場版。120分。

 

感想

 宿命のライバルであるアムロとシャアの対決が描かれる。まずは設定が分かりづらくて困惑するが、これはテレビアニメの初代ガンダムの時からだ。それが戦争のリアルを感じさせ、物語に深みを与えているのだろう。簡単には分からないからもっと知りたくなるという魅力にもなっている。しかしこれを見ていた当時の子供たちはどれくらい理解できていたのだろうか。

 

 これまでの戦いで地球連邦軍の上層部にうんざりし、反乱を起こしたシャアは地球を粛正しようとする。それに至った考えをかなり詳細に説明していたが、半分正しくて半分間違っているというか、問題提起はいいが解決策がダメ、というような印象を受ける。

 

 

 これはわりと今でも世界中でよく見る光景で、現状に不満があるのは分かるが、だからってそれを選ぶ?とかそっち行く?みたいな人たちは相当いる。逆にそんな安易な選択をしてきたからこその今の惨状じゃないのか?と思ったりする。引っ掛け問題に引っ掛かってばかりいるようなものだ。それが続くとダークサイドはすぐそこだ。

 

 物語としては、大枠としてシャアの地球粛清があり、その一環としてアムロとの対決がある。だからあまり二人の激突といった印象はない。まずは作戦が描かれ、終盤にそれを阻止しようとしたアムロとようやく直接対決となる。最後はそんな決着のつき方なのかと拍子抜けした感はあった。

 

 ガンダムはともかく、他のモビルスーツのデザインは初代ガンダムの時の方が好きだったが、現行車種より旧車のデザインの方がカッコ良いと思ってしまうようなものだろう。技術が進歩するとデザインは複雑なものになっていく。

 

 時おり映画的雰囲気に満ちたグッとくる映像もあったりして、宇宙戦争として楽しめた。ただ世紀の対決、最終戦争の割には地球連邦軍本部の描写はなく、単なる局地戦のように見えるのが残念だ。これもまた本部の無策ぶりを表現しているのかもしれないが。

 

 すべてが終わって流れだす主題歌、TM NETWORKの「BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)」が、普通に聞くとき以上にカッコよく聞こえた。

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スタッフ/キャスト

監督/脚本/原案/原作 富野由悠季

 

原案 矢立肇

 

出演(声) 古谷徹/池田秀一/弥生みつき/鈴置洋孝/安達忍/佐々木望/川村万梨阿

 

音楽    三枝成章

 

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア - Wikipedia

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