★★★★☆
あらすじ
深海に取り残された探査艇を救出に向かった男は、太古に絶滅したはずの巨大鮫、メガロドンに襲われる。
感想
巨大なサメと格闘する物語だ。だが最初に登場したときは、想像していたより小さいなと思ってしまった。もっと巨大な方が迫力があって良さそうだが、人間がギリギリ勝てるのがこのサイズ感なのかもしれない。見ている間にそう思い直した。
また、人類が未知の領域で出会う未知の生物なのだから、新たな怪獣を創造して登場させても良かったのに、とも思わなくもない。なにもサメでなくていいはずだ。だがこれもサメの方が余計な説明をする必要がないので都合が良いのだろう。サメ映画がたくさん作られる理由がよく分かる。ゾンビ映画もきっと同じだ。
そしてこれもれっきとしたサメ映画に仕上がっている。緊張と緩和を繰り返しながら、主人公らがサメと対峙する姿が描かれていく。サメ映画の特徴であるいい意味での馬鹿っぽさもちゃんとある。なぜかサメに泳いで近づこうとしたり、定番のビーチではしゃぐ若者たちも見られる。
サメ映画にそこはかとない馬鹿っぽさが漂うのは、普通に生活していれば出会うことがないはずなのに、敢えて自分から近づいていくからなのかもしれない。未知の領域への冒険も、ビーチでのバカンスも非日常だ。
浮かれた気分の中で恐怖を味わうからこそ落差が大きく、人々の琴線に触れるのだろう。もしかしたら日常に生きる人々の嫉妬からくる処罰感情も満足させているのかもしれない。
やや前半がもたもたして冗長になってしまった印象があるが、全体としては悪くないパニック映画だ。しっかりとハラハラドキドキさせて楽しませてくれる。時々ゴジラぽかった音楽もそれに貢献していた。
スタッフ/キャスト
監督 ジョン・タートルトーブ
出演
リー・ビンビン/レイン・ウィルソン/ルビー・ローズ/ウィンストン・チャオ/クリフ・カーティス