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「雲霧仁左衛門」 1978

雲霧仁左衛門

★★☆☆☆

 

あらすじ

 大盗賊・雲霧仁左衛門は、仲間を率いて最後の仕事に取り掛かる。160分。

雲霧仁左衛門 - Wikipedia

 

感想

 主人公は江戸時代に実在したと言われる歴史上の人物だ。石川五右衛門みたいなものだろう。だが彼の知名度はどれくらいあるのだろうか。彼や彼の手下たちが、いかにもみなさんご存知といった体で、何の説明もなく当然のように現れることに戸惑ってしまった。ドラマの映画化なのか?とも思ったが、そういうわけでもない。おそらく忠臣蔵のように、当時の人たちには常識だったのだろう。

 

 物語は、最後の仕事に挑む雲霧仁左衛門と、彼を捕えようとする幕府の火付盗賊改め方長官の対決が軸となっている。演じる仲代達矢と市川染五郎(六代目)の二人が醸し出すピリついた雰囲気は見ごたえがあった。そしてそれと同時に、彼らの周辺人物として大量に投入された役者陣が、それぞれの見せ場を作っている。彼らがその後簡単に退場していくのも贅沢な気分にさせてくれる。

 

 

 沢山の役者陣の中では、主人公のターゲットになる豪商を演じた丹波哲郎が良かった。女仕掛けにデレデレになる姿は、本当に演技なのかと怪しんでしまうほどだ。それに単なる間抜けなエロ親父では終わらず、最後は豪胆なところも見せる。さすが一代で財を成した人物だと頷けるキャラクターになっていた。

 

 それから無駄に猥雑で刺激的なシーンが多いのも、客を楽しませようとする意気込みが伝わってきて好感が持てた。主人公一味の岩下志麻演じる女が、綱渡りの要領で川に渡した竹竿を渡るシーンは、そんなことできるの?とすごすぎて笑ってしまうし、彼女と豪商が仮祝言を挙げた夜に、見つめ合う二人のまわりをろうそくと共にカメラがぐるぐると回る演出も可笑しかった。これらは観客を喜ばせたいというサービス精神の表れなのだろう。

 

 物語は主人公一味の単なる盗みの話では終わらず、彼の正体を絡めて思わぬ方向へと進展していく。だが話の行方よりも次第に気になって来るのは、これいつ終わるの?ということだ。さすがに2時間半越えは長すぎる。役者の大量投入や詰めこみ過ぎたエピソード、過剰なサービス精神などの諸々が積み重なった結果だろう。それぞれは悪くないのだが、長いなと時間が気になってしまった時点で、どんどんと評価は下がっていってしまう。

 

 おそらく2時間以内位に収めてくれていたら、普通に満足できていたはずだ。その後何度か制作されたようだが、映画では無く連続ドラマの方が向いていそうな物語だった。

 

 

スタッフ/キャスト

監督 五社英雄

 

脚本 池上金男

 

原作 雲霧仁左衛門(前) (新潮文庫)

 

出演 仲代達矢/市川染五郎/岩下志麻/松坂慶子/あおい輝彦/倍賞美津子/川谷拓三/梅宮辰夫/宍戸錠/山口崇/長門裕之/田中邦衛/加藤剛/松本幸四郎/夏八木勲/隆大介/高松英郎/山城新伍/宮下順子/成田三樹夫
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音楽    菅野光亮

 

雲霧仁左衛門

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