★★☆☆☆
あらすじ
不可解な死を遂げた祖父の言葉に従い、ある島を訪れた少年は、かつて何度も祖父が話してくれた奇妙な子供たちと出会う。
ティム・バートン監督、ジュディ・デンチ、サミュエル・L・ジャクソンら出演。127分。
感想
透明な少年や指から火を放つ少女など、異能の子供たちと共にモンスターと戦うことになる少年が主人公だ。元々は祖父が奇妙なこどもたちと共に育ち、それを孫である主人公がおとぎ話のように聞かされていた設定になっている。
序盤にそんな導入の説明があるのだが、あまりに駆け足でちゃんと頭に入って来ない。なんだかよくわからないままに彼らのいた島に向かうことになった。しかもその割にはなかなか本題に入らず、もどかしい時間が続く。
そしてようやく主人公は奇妙なこどもたちに出会う。彼らは戦争で爆撃される前日をループして生きており、祖父はそのループを抜け出したらしい。主人公は彼らと仲良くなっていく。ただ、ここでの描写も不十分で、誰がどんな能力を持っているのか、ちゃんと把握できないままに物語は進行していってしまう。
彼らは悪の異能者に命を狙われている。ループがなくても不老不死になろうとして失敗したモンスターたちで、異能者の目玉を食べることで人間の見た目を取り戻せるらしい。
主人公は仲間と協力して彼らと戦う筋立てなのだが、ループにモンスターに異能者と、やたらとややこしい状況が追加されていくので、頭の中は疑問だらけになる。よく考えると何をやっているのかよく分からなかったりする。
最後も、過去ではなく現在の悪役を倒しただけだから祖父が生き返ることはないような気がするし、主人公が子供たちと再会したければ出てきたループにもう一度入ればいいだけのような気がする。わざわざループをたどる意味がよくわからない。彼らが別れた直後に行きたいからそうしたということなのか。
目玉を食べる描写や遊園地でのモンスターと骸骨の戦いなど、ティム・バートン監督らしいダークだが愛嬌のある世界観は随所に溢れている。魅力的な雰囲気ではあるが、複雑さがそれらを打ち消してしまった。ワクワクやドキドキはない。あまり深く考えたりせずに、ファンタジー感を楽しむのがいいのかもしれない。
スタッフ/キャスト
監督
脚本 ジェーン・ゴールドマン
出演 エヴァ・グリーン/エイサ・バターフィールド/クリス・オダウド/アリソン・ジャニー/ルパート・エヴェレット/テレンス・スタンプ/エラ・パーネル/ジュディ・デンチ/キム・ディケンズ/オーラン・ジョーンズ
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち (映画) - Wikipedia
