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「ワンダーウーマン 1984」 2020

ワンダーウーマン 1984(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 願い事が何でも叶う奇妙な石を盗んだ男の暴走を止めるため、復活した恋人と共に後を追うワンダーウーマン。 

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 「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズの第9作目。151分。

 

感想

 鑑定のために博物館に持ち込まれた、願い事を何でも叶える奇妙な石に端を発する物語だ。序盤は主人公も願い事をして、死んでしまった恋人との再会を果たしている。復活した恋人が、生きていた時代とはすっかりと変わってしまった1980年代の世の中に驚き、主人公が色々と教えてあげるコミカルなシーンは、前作の初めて人間の世界にやってきて戸惑う主人公とサポートする恋人の関係とは全く立場が逆転していて、その対比が面白い。

 

 しかし時代設定を1984年にしたのはなぜなのだろうか。科学が進歩して人々が豊かさを実感できるようになり、なおかつ、まだまだ未来に希望を持てる時代だったからなのか。さらには東西冷戦中で、ほどよい感じに世界の対立を描けることも大きかったのかもしれない。現在を舞台にしてしまうと、生々しくて色々と支障が出てきそうでもある。あるいは単純に、製作者たちが80年代に思い入れのある世代だからという可能性もある。

 

 

 奇妙な石により、苦境に陥った経営者の男やコンプレックスを抱える女性学者が望みを叶えるが、彼らが暴走を始めたことにより、世界がおかしくなっていく。弱い立場だった人間が能力を手に入れ、邪悪化してヴィランになってしまうスーパーヒーロー映画の定番の流れだ。

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 しかしメインの敵役となる経営者の男がどんどんと暴走していくのを見ても、彼が何を目指しているのかがよく分からず、モヤモヤしてしまう部分があった。彼が始めたビジネスは皆が豊かになることを目指したもので、そもそも彼は根は悪い奴ではないのでは?というのがまずある。だから願いが叶ったら満足してしまうような気がして、強欲になるのがピンと来なかった。もしかしたら人当たりの良いことを言っているだけの怪しい詐欺師的な人物ということなのかもしれない。

 

 それに、強くなったところで世の中はぐちゃぐちゃになってしまっているわけで、そこで何をするつもりのなのか、その意図も見えなかった。ただ、もしも願いが一つだけ叶うなら何を願う?というド定番の質問に対して、その発想はなかったと思ってしまうような願い事をしたのは意外性があって良かった。だがそれが叶ったらどうなるのかが不明なので、ちょっと混乱してしまうのだが。

 

 ストーリーが凡庸で、クライマックスの敵との対決も主人公が懇願するだけと、盛り上がりに欠ける印象の映画だ。メロドラマ風になったり、空を飛ぶシーンでひとりタイタニックをしているみたいになったり、黄金の聖闘士星矢みたいになったりと、ところどころで面白くはなるのだが、上映時間が長過ぎるので何度かダレてしまった。主人公のあまり笑顔を見せない凛とした姿も、長い間見ているとただの鈍い人に見えてくる。

 

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/原案/製作 パティ・ジェンキンス

 

原作 ワンダーウーマン:アースワン (ShoPro Books)

 

製作 チャールズ・ローヴェン/デボラ・スナイダー/ザック・スナイダー/スティーヴン・ジョーンズ

 

製作/出演 ガル・ガドット

 

出演 クリス・パイン/クリステン・ウィグ/ペドロ・パスカル/ロビン・ライト/コニー・ニールセン/アムール・ワケド/クリストファー・ポラーハ/ナターシャ・ロスウェル/ガブリエラ・ワイルド/リンダ・カーター

 

音楽 ハンス・ジマー

 

ワンダーウーマン 1984 - Wikipedia

 

 

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