★★★☆☆
あらすじ
世界を滅ぼそうとするAIを阻止するため、スパイだった主人公は、アメリカ政府と協力して、そのソースコードを回収しようとする。
トム・クルーズ、サイモン・ペッグら出演。シリーズ第8作で最終作。二部作の後編。169分。
感想
前作で鍵を手に入れた主人公が、AIの暴走を止めるため、ソースコードの回収に乗り出す。ソースコードにアクセスできなければ誰もAIを操れないのだから、それに必要な鍵を壊してしまえばいいと思っていたのだが、それだとAI自身に世界を操られてしまうらしい。ソースコードを誰かに奪われてもダメ、放置してもダメで、主人公自身が回収するしかない状況になっている。
序盤は、前作の名残とシリーズ総決算に向けた足場づくりといった感じで、かなり地味だ。しかも、何をするにもいちいち立ち止まり、丁寧な描写をするので冗長になり、停滞感が漂う。普通にやれば10分ぐらいにまとめることが出来そうだ。過去のシリーズ作に言及する場面が多く、色々思い出して感傷に浸るための時間なのだろう。しかし、残念ながら記憶が曖昧であまり覚えていなかった。
前作のような派手なアクションの連続もなく、これが続くと辛いなと不安になっていたが、中盤になるとようやく動きが出てきた。主人公は、深海に沈んだ潜水艦に眠るソースコードの回収に向かう。ただ潜って帰ってくるだけなのだが、深海というだけで緊張感があり、主人公が誰とも言葉を交わすことなく、たった一人で静かにトラブルを乗り越えていく様子は見ごたえがあった。ガチャガチャしがちな地上とは違い、動きもスローとなって、じっくり見たくなるような重厚感が漂っている。
このパートは海洋アクションといった趣だったが、よく考えると、全体として、もはやスパイ映画とは言えない内容になっている。主人公は逃げも隠れもしないし、正面玄関から堂々と乗り込んでいく。パニック映画で世界を救う堂々たるヒーローみたいになっていて、あのスパイものらしいスリリングで印象的なテーマ曲の流しどころがない感じだった。シリーズを重ねるごとに強まっていった「スパイなんて時代遅れ」というレッテル貼りを、自ら行っているようでもあるのは皮肉だ。
終盤はいつもの展開で、今回も空でのアクションが主体となっている。ただ、前回のように無理やりな流れのアクションではなく、ストーリーに乗った形で繰り広げられるものなので、素直に楽しむことが出来た。ラストは冗長で感傷に傾きすぎたきらいもあるが、シリーズ最終作なので仕方がないだろう。
結局、敵役との過去の因縁の詳細は分からずじまいだし、彼のラスボスとしての存在感にも物足りなさも感じたが、全体としては悪くない娯楽作になっている。改めて第一作からシリーズ全作を一気見するのも面白そうだ。
それから、今作の本当の敵はAIだったわけだが、今後の世界の危機を描く物語は、すべてこんな感じになっていくのだろうか。それに、もはやそれをSFと言っていいのかもよく分からない。スマホが作品に登場したからといってSFではないように、すでに日常に溶け込みつつあるAIが登場したからと言って、SFとは呼べないような気がする。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 クリストファー・マッカリー
脚本 エリック・ジェンドレセン
製作/出演
出演 ヘイリー・アトウェル/ヴィング・レイムス/サイモン・ペッグ/イーサイ・モラレス/ポム・クレメンティエフ/ヘンリー・ツェニー/シェー・ウィガム/アンジェラ・バセット/ホルト・マッキャラニー/ジャネット・マクティア/ニック・オファーマン/ハンナ・ワディンガム/マーク・ゲイティス/ケイティ・オブライアン/パシャ・D・リチニコフ/ケイリー・エルウィス*/ショーン・ハリス(声)
*回想シーン
音楽 マックス・アルジ/アルフィ・ゴッドフリー
ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング - Wikipedia
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