★★★☆☆
あらすじ
地域おこしのために島を盛り上げようとしていた幼なじみの三人組は、不法侵入した不審な男を誤って死なせてしまう。
藤原竜也、松山ケンイチ、神木隆之介ら出演、廣木隆一監督。漫画原作。128分。
感想
イチジクで島おこしをしようとしていた幼なじみ三人組が、ひょんなことから不審者を死なせてしまったことで始まる物語だ。故意に殺したのではなく、不法侵入した男を取り押さえようとして死なせてしまったわけなので、単純に事故として処理すれば良かったのだが、風評被害を恐れて隠蔽しようとしてしまった。
巧みな伏線により、警官の男の「かさぶた」という言葉だけで、隠蔽するに至った考え方がすんなりと理解できるようになっているのは見事だ。
ただ、そんな後ろめたいことをしたにも関わらず、その後の彼らが平然としているように見えたのはやや不自然だった。こんな島の出来事なんて誰も気にしないと、タカを括っていたところがあったのかもしれない。しかし、思ったよりも早く県警が動き出し、焦った三人に再度不運な事件が起きてしまう。このシークエンスはとてもコミカルで、もしかしてこの映画はコメディなのか?と一瞬思ってしまうほどだったが、笑える良いシーンだった。
さらなる問題をどのように処理するべきかと、三人はますます困ってしまう。県警の鋭い捜査に冷や汗をかいたり、予期せぬ悲劇が起きたりと、先行きの見えない展開が続いて面白い。時間軸を入れ替えるなどの演出も効果的だ。片田舎で平凡な男が不運な事故に巻き込まれていく映画「ファーゴ」を思わせるような内容で、彼らの行き当たりばったりの対応ぶりを楽しめる。
そして、どんな結末が待ち構えているのかと期待は高まっていったのだが、「そっち?」となるような、思っていたのとは違う展開に、急速に冷めてしまった。驚きの展開と言えばそうなのだが、ありきたりと言えばありきたりのどんでん返しだ。それに偶然の出来事が発端であるにしては、あまりに出来過ぎた結末に見える。三度も繰り返される絵日記のくだりも、どうにもピンと来ない。
島の閉鎖性やいびつな郷土愛など、それまでに何度も顔をのぞかせていた様々な「ノイズ」を最後に回収しようとした形だが、それもまた新鮮味はない。どうせなら、不運な予期せぬ出来事にジタバタしていたら、なんとか出口が見えてきた、みたいな人間臭いドタバタ劇を最後まで貫いて欲しかった。ベタなメッセージ性などなしで、日本版「ファーゴ」を目指して欲しかった。途中まで面白かっただけに、実にもったいない。
スタッフ/キャスト
監督 廣木隆一
脚本 片岡翔
原作 ノイズ【noise】 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
出演
神木隆之介/黒木華/伊藤歩/渡辺大知/酒向芳/迫田孝也/鶴田真由/波岡一喜/寺島進/余貴美子/永瀬正敏/菜葉菜/諏訪太朗
音楽 大友良英
