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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「プリンセス・ブライド・ストーリー」 1987

プリンセス・ブライド・ストーリー

★★★☆☆

 

あらすじ

 恋人が死んで失意に暮れる女は王子と婚約するが、何者かに拉致されてしまう。

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 ピーター・フォーク、ロビン・ライト、アンドレ・ザ・ジャイアントら出演、ロブ・ライナー監督。原題は「The Princess Bride」。98分。

 

感想

 病気で寝ている男の子に、祖父が本を読んであげる形で物語は進行する。

 

 まず気になってしまうのは、映画タイトルでもあるこの本の題名だ。「プリンセス」とあるのでどうしても女児向けの本に思えてしまう。だが祖父が本を見せた時の男の子のリアクションに、それに関するものは全くなかったので、彼らの感覚では違和感はないのかもしれない。「もののけ姫」みたいなものだろうか。

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 今どき男児向けとか女児向けとか気にしているようでは駄目なのだろうが、これがどうにもしっくりこない。内容も青年がヒロインを救うストーリーなので、なんだかタイトルで損をしているような気がしてしまう。メインのターゲットにスルーされてしまいそうだ。

 

 

 海賊の主人公が、拉致された女を救出し、その婚約者である悪者の王子から奪おうとする。決闘あり、冒険あり、謎の生物あり、妖しい魔術ありの、80年代らしい冒険ファンタジーだ。底なし沼や巨大なネズミなどが出てくる、CGではないSFXを使った映像は、レトロな手作り感があって味がある。

 

 物語全体のトーンはコミカルだ。笑えるというよりも楽しい雰囲気を保つことに注力しているように見える。戦いなどのアクションシーンも音楽とシンクロするような撮り方で、子どもが体感的に楽しめるようになっている。大巨人アンドレ・ザ・ジャイアントの雄姿も心和む。

 

 大雑把な子供向けのストーリーだが、よく考えると怖い部分もあったりする。王子は婚約者を殺して利用しようとしているし、主人公も悪党のボスを殺してその手下を仲間にしている。ヒロインも最初は恋人をいじめていた。こういう負の側面は、気付いていなくても心のどこかで感じ取っているものだ。その感触は記憶に残り、単純に「楽しかった」だけでは終わらせない。

 

 よく出来た子供向け映画だ。男児の興味のなさそうな恋愛シーンになると、強制的にストップがかかるのも面白かった。それが最後の伏線にもなっている。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作

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脚本 ウィリアム・ゴールドマン

 

原作 プリンセス・ブライド (ハヤカワ文庫 FT 85)

 

出演 ケイリー・エルウェス/マンディ・パティンキン/クリス・サランドン/クリストファー・ゲスト/ウォーレス・ショーン/アンドレ・ザ・ジャイアント/ロビン・ライト/ピーター・フォーク/フレッド・サベージ/キャロル・ケイン/ビリー・クリスタル

 

音楽     マーク・ノップラー

 

プリンセス・ブライド・ストーリー - Wikipedia

 

 

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