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「シング・フォー・ミー、ライル」 2022

シング・フォー・ミー、ライル

★★☆☆☆

 

あらすじ

 売れないマジシャンの相棒となるもシャイで人前で歌えないワニのライルは、新しく引っ越してきた一家と仲良くなる。

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 原題は「Lyle, Lyle, Crocodile」。106分。

 

感想

 歌うワニが出てくる物語だ。このワニは主人公ではなく、第三者的に描かれる。歌えるが喋ることは一切できないので何を考えているのかよく分からないところがあり、それにそもそもヴィジュアルや動きに愛嬌がないので感情移入しにくかった。

 

 そしてキャラ設定にも統一感がない。歌うことは好きだが人前では緊張して歌えないのだから、引っ込み思案でシャイなキャラなのかと思ったら、出会ったばかりの主人公の少年にオラオラと絡んでいく。主人公の両親にもおっかなびっくりではなく、グイグイと距離を詰めていく。シャイなのだかオープンなのだか、捉えどころのないキャラクターで不気味ですらある。

 

 

 ニューヨークに引っ越してきた主人公一家は、このワニとの交流することによって生活が好転していく。学校に馴染めなかった主人公には友人が出来て、教師の父親は生徒の心を掴み、母親は主婦の呪縛から解放された。

 

 そういうことにしたいのはわかるのだが、どれも描き方がとても雑で分かりづらい。主人公は転校初日のことしか描かれず、父親の授業風景は一瞬映るだけで、それらから色々読み取れというのはずいぶんと乱暴だ。子供向けの映画なのでしっかり描いても仕方がないということなのかもしれない。

 

 やがて近所とのトラブルから通報され、ワニは捕獲されてしまう。なんとか助け出したい主人公は、ただのワニではないことを証明するために皆の前で歌うようワニに迫る。だが主人公は、シャイなワニを無理やりステージに立たせようとするマジシャンに批判的だっただけに、これには疑念が残った。

  

 歌など歌えなくても、そのままのあなたでここに居ていいんだよ、となるものだと思っていたので、自分がいかに役に立つ生き物であるかをアピールしなければいけないのかと、げんなりしてしまった。これでは、生産性がないなら生きてる価値がないと匂わす差別主義者と同じだ。

条件をつけられる命なんてない 相模原事件に通じる杉田議員の発言

 

 しかもこれまで散々歌えなかったのに歌えるんかい!と、今までは何だったの?と思ってしまうような展開にズッコケてしまった。

 

 いちいち引っ掛かってしまうシーンの連続で、肝心の歌のシーンもたいして楽しくない。子供だましは出来るかもしれないが、さすがに大人には無理がある映画だった。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 ジョシュ・ゴードン/ウィル・スペック

 

原作 ワニのライルがやってきた (ワニのライルのおはなし 1)ワニのライル,動物園をにげだす (ワニのライルのおはなし 2)

 

出演 ハビエル・バルデム/コンスタンス・ウー/ウィンズロウ・フェグリー/スクート・マクネイリー/ブレット・ゲルマン/(声)ショーン・メンデス

 

シング・フォー・ミー、ライル

シング・フォー・ミー、ライル

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シング・フォー・ミー、ライル - Wikipedia

 

 

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