★★★☆☆
あらすじ
天敵の老人亡き後にやって来た若い男と、家庭菜園の農作物をめぐって激しく争うウサギのピーターラビット。
人気の児童書「ピーターラビット」シリーズの実写化作品。第1作目。95分。
感想
有名なウサギのキャラクター、ピーターラビットを主人公にした物語だ。原作をちゃんと読んだことはないが、なんとなく想像する牧歌的な物語が繰り広げられるのかと思いきや、イギリスらしいブラックなジョークが散りばめられていた。
序盤に、主人公らを目の敵にしてた老人が突然心臓発作で死んでしまうのだが、普通に主人公が大喜びしていたのはなかなかだった。イヤな奴だったけど死んでしまったのは可哀想、としんみりしてしまいそうなものなのに、全然そんな素振りはない。とてもドライだ。彼は主人公の父親をミートパイにして食べてしまった男なので、当然と言えば当然なのかもしれない。仲間を集めて彼のいなくなった家でやりたい放題やっている。
やがて彼の遺産を受け継いだ若い男がやって来て、今度はこの男との争いが始まる。男の徹底した害獣対策や、彼が主人公らに好意的だった隣人の女性と付き合い始めてしまったこともあって、戦いは激化していく。電気柵を逆に利用して、何度も男を電気ショックで吹っ飛ばすシーンなどは可笑しかったが、基本的には二人が仲良く喧嘩する場面の繰り返しでしかなく、展開に乏しかった。
もうちょっとストーリーに広がりが欲しかったが、トムとジェリー的に楽しめばいいのだろう。子供にはこれくらいがちょうど良いのかもしれない。そして大人は彼らの過激な言動やブラックなジョークを堪能する感じだろうか。ニワトリが朝鳴くのは新しい一日がやってきたことを嘆いている説や、車のヘッドライトを見ると必ず固まってしまう鹿は好きだった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/原案/製作 ウィル・グラック
原作 ピーターラビットのおはなし (絵本 ピーターラビット)
出演 ローズ・バーン/ドーナル・グリーソン/サム・ニール/デイジー・リドリー(声)/エリザベス・デビッキ(声)/マーゴット・ロビー(声)/ジェームズ・コーデン(声)/シーア(声)/マリアンヌ・ジャン=バプティスト/デヴィッド・ウェンハム(声)/レイチェル・ウォード(声)/ブライアン・ブラウン(声)
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