★★★★☆
あらすじ
経営不振の劇場を立て直すため、オーディションを開催することにしたコアラの劇場主と、秘書のミスにより高額となった賞金につられてやって来た歌い手たち。
感想
ショーを愛する破産寸前のコアラの劇場主と歌手を目指す者たちの物語だ。序盤で主要な登場人物たちを一気に紹介するシーンは見事だった。短い時間でそれぞれのキャラクターの特徴や背景を理解することが出来て、スッと物語に入っていけた。
動物たちが人間のような生活を送る世界の設定で、各動物たちの特徴を生かした造形が面白い。中でも主人公の友人の羊は、いかにも金持ちの息子らしいチャラいデザインで好きだった。
そして動物たちを擬人化してみると、際立つのが象の異形ぶりだ。キリンやラマなどの首が長い動物と比べても、象の鼻の長さが与える違和感はすごい。最後まで全然慣れなかった。喋る時に口が長い鼻で隠れてしまうのは異常だよなと、改めてこの動物のかたちの奇抜さを再認識してしまった。ただ実際には直立していないのでそうはならないし、そもそも喋らないわけではあるが。メジャーな動物すぎて誰も見ても何とも思わないが、もし今発見されたとしたらとんでもない衝撃を与える動物のはずだ。
主人公の舞台に対する情熱と、歌手たちのエピソードがうまくきれいにまとめられている。コミカルなシーンでは、主人公の洗車の仕事ぶりが面白かった。彼の父親もこれで息子のための資金を稼いだと言っていたが、そんな感じでやっていたのかよと笑ってしまった。
そんなに深みはない無難な物語だが、それを補って余りあるのが劇中を埋め尽くす楽曲たちの存在だ。聞き覚えのある名曲やヒット曲ばかりが次々と流れる。音楽好きならそれだけで満足できるはずだ。見終わった後にあれは誰の曲だったっけ?と色々と調べてしまった。
クライマックスも、ほとんどコンサート的な楽しさで成り立っている。その中ではヤマアラシの少女の、最近あまり見ることがなくなったような気がする激しいギタープレイがなんだか新鮮で良かった。
音楽の楽しさに溢れた映画で、純粋に楽しめる。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/出演(声) ガース・ジェニングス
出演(声) マシュー・マコノヒー/リース・ウィザースプーン/セス・マクファーレン/スカーレット・ヨハンソン/ジョン・C・ライリー/タロン・エジャトン/トリー・ケリー/ニック・クロール/ジェニファー・ソーンダース/ジェニファー・ハドソン/ガース・ジェニングス/ジェイ・ファロー/ニック・オファーマン/レスリー・ジョーンズ/リー・パールマン/ラレイン・ニューマン/ジム・カミングス/タラ・ストロング/ウェス・アンダーソン/ビル・ファーマー
音楽 ジョビー・タルボット
関連する作品
続編