感想
安定感のある作品だ。吉永小百合演じる女性の、静かに力強く夫を想う気持ちが胸を打つ。
戦争の悲惨な映像を見せるでもなく、説教がましく訴えかけるでもない。それでも、何で戦争なんかするんだ、こんなに悲しいことばかりなのに、とどうしようもなく切なくなってしまう。
笑福亭鶴瓶演じる男のキャラクターも良かった。関西弁で無神経にしゃべるが、言ってることは今聞けばすごいまともだ。彼が山田洋次の戦争に対する考えを表現しているのだろうか。いろいろ我慢して、いろんなことを犠牲にしてまで戦争して、なんになるのだ、と。
ユーモアさえも交えてこんな映画を撮れてしまう山田洋次はすごい。巨匠と呼ばれるだけのことはある。
スタッフ/キャスト
監督/脚本
脚本 平松恵美子
原作 母べえ
出演 吉永小百合/坂東三津五郎
笑福亭鶴瓶/檀れい/志田未来/佐藤未来/笹野高史/でんでん/近藤公園/吹越満/小林稔侍/倍賞千恵子/戸田恵子/大滝秀治/赤塚真人/北山雅康
音楽 冨田勲