★★★☆☆
あらすじ
ボストンの爆弾処理班に所属する男は、結婚を機に現場から離れることを決意するが、IRA時代の元同志で仲違いした爆弾製造の天才に恨みから命を狙われるようになる。
原題は「Blown Away」。121分。
感想
爆弾処理班の隊員である主人公が、北アイルランド時代の元同志の爆弾魔と対決する物語だ。活動家時代に衝突した結果、仲間が死に、爆弾魔も逮捕されて服役することになったのだから、両者の間に禍根が残るのは当然だ。アメリカに渡り名前も変えて暮らしていた主人公を、脱獄した爆弾魔が偶然発見し、復讐を果たそうとする流れは納得感がある。
ただ、この爆弾魔がそれを楽しんでしまっているように見えるので、話がブレてしまっている。爆弾魔の得体の知れないヤバさを表現したかったのかもしれないが、そのせいで復讐なんて名目に過ぎないように思えてしまう。主人公が遊ばれておもちゃにされているだけだ。共に元活動家なのだから、互いの正義がぶつかり合うようなヒリヒリする対決が見たかった。
物語は観客を信用しているからなのか、あまり詳しい説明はしないままに進行していく。数少ないヒントや状況を頼りにストーリーを読み取らせようとするスタイル自体は悪くないのだが、展開がもっさりとしている。90年代半ばの映画とは思えないくらいのゆったりとしたペースだ。それぞれのエピソードが積み重なっていくような重厚さもなく、歩留まり感があった。
クライマックスに向けて盛り上がっていくような感じもなく、粛々と進行していくだけの印象だが、爆破シーンは激しくて見ごたえがあった。特に最後の廃船が爆発するシーンは、火薬の量が半端なくて迫力がある。
終了間際には急に「スピード」的展開が始まったが、盛り上がり切ることなくあっさりと終わってしまった。消化不良感のある映画だ。
スタッフ/キャスト
監督 スティーヴン・ホプキンス
出演 ジェフ・ブリッジス/トミー・リー・ジョーンズ/スージー・エイミス/ロイド・ブリッジス/フォレスト・ウィテカー/ジョン・フィン/ルーベン・サンチャゴ=ハドソン/マイク・スター*/キューバ・グッディング・ジュニア*
*クレジットなし
音楽 アラン・シルヴェストリ

