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「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」 2014

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 第2次世界大戦勃発直後のイギリスで、ナチスの暗号機エニグマの解読チームに加わることになった数学者アラン・チューリング。実話を基にした物語。

 

感想

 極秘任務の暗号解読チームに加わったベネディクト・カンバーバッチ演じる天才数学者アラン・チューリング。独りよがりで自分の世界に閉じ籠り、コミュニケーションもうまくとれず、仲間と協力しようともしないアスペルガーぽい雰囲気もある変人ぶり。

チューリング

チューリング

 

 

 一人で突っ走り、仲間からも疎んじられ孤立してしまった彼が、首相に直訴したらリーダーに任命され、膨大な金額の予算申請も通ってしまったのには、イギリスの懐の深さを感じずにはいられない。日本だったら言うことを聞くまで鉄拳制裁だろう。リーダーになった彼が、その場で二人にクビを言い渡したのは笑ってしまったが。

 

 リーダーにも関わらず、メンバーと協調することができない彼を助けたのが、キーラ・ナイトレイ演じる優秀な頭脳を持ったジョーン・クラーク。彼とメンバーの間の溝を埋め、チームワークを高めるためのアドバイスを行う。しかし彼女も優秀なのに、女性というだけで当然のように排除しようとした最初の試験のシーンは、当時でもまだそんな偏見があったのかと驚かされる。

 

 

 やがて暗号解読には成功するが、その後はなかなか辛い判断を下さなければならなくなる。暗号解読に成功したことをナチス側に気づかれない程度に、味方に被害を受けさせつつ、有利に展開していく必要がある。つまり攻撃を受けると分かっていながら味方をその地に赴かせなければならない。きっと多くの人がこの作戦で犠牲になったはずだ。その家族はこの事実を知ってどう思ったのだろう。

 

 戦争が終わりチームは解散する。極秘任務の暗号解読チームは戦後もその任務は極秘のままで、彼らが果たした功績に対する賞賛は得られること無かった。主人公の数学者もその理解されにくい性格と、戦時中の調査をしても謎のままの経歴のせいで、警察にマークされ、別件で逮捕されてしまう。ここでも戦後のこの時代でも、同性愛者は犯罪者扱いされていたことに驚く。

 

 映画は暗号解読に取り組んでいた時代を中心に、主人公の少年時代、戦後の警察に疑いの目を向けられている現在を行き来しながら進行していく。戦争の勝利に多大なる貢献をした主人公の、寂しい末路に悲しくなる。

 

スタッフ/キャスト

監督 モルテン・ティルドゥム

 

原作 Alan Turing: The Enigma

 

出演 ベネディクト・カンバーバッチ/キーラ・ナイトレイ/マシュー・グッド/ロリー・キニア/チャールズ・ダンス/マーク・ストロング/アレン・リーチ/タペンス・ミドルトン

 

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 - Wikipedia

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登場する人物

アラン・チューリング/ジョーン・クラーク/ヒュー・アレグザンダー/スチュアート・ミンギス

 

 

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