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「ペーパーボーイ 真夏の引力」 2012

ペーパーボーイ 真夏の引力 (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 冤罪の疑いがある死刑囚を取材するため、同僚とともに戻ってきた新聞記者の兄とそれを手伝う弟。 

 

感想

 てっきり不当な裁判によって死刑にされてしまった男の無実を晴らし、正義のために戦う人たちの姿を描いていくのかと思っていたのだが、序盤で死刑囚に手紙を送り、獄中婚約してしまうような女が出てくる時点で怪しい気配が漂う。

 

 何とか面会できた死刑囚も誠実で気弱そうな無実を訴える男ではなく、初めて会った婚約者に対して異常な行動を取るようなふてぶてしい男だ。しかし、死刑囚役のジョン・キューザックといい、その婚約者役のニコール・キッドマンといい、その他の人物たちも皆いい演技をしていて見応えがある。台詞回し役になっているメイシー・グレイも、憎めない感じの出しゃばりなおばさん感が良かった。

 

 

 そして当初は正義のために真実を追う高潔な人物に見えていた記者たちも、次第に違う顔を見せ始める。考えてみれば、勧善懲悪のような単純な人間なんておらず、皆それぞれに野心や願望を抱えて行動している。称賛されるべき行動を非難されるべき思惑で取ることだってある。

 

 兄を手伝い、彼らの複雑な行動を見て傷つきながらも成長する弟。そんな彼が最後にとった行動で事が大きく動く。少しあっけにとられるが、マシュー・マコノヒーのシーンは突然過ぎてちょっと笑ってしまった。そして、弟が元水泳選手だったというのはここでつながってくるのか、と。でも絶対誰かがワニにやられると思っていたので、もうワニが気になって仕方がなかった。

 

 事件の真相を明らかにしていくのではなく、事件の調査に関わる人々の人間模様を描くという観点は面白い。

 

スタッフ/キャスト 

監督/脚本/製作 リー・ダニエルズ

 

原作 ペーパーボーイ (集英社文庫)

 

出演 マシュー・マコノヒー/ザック・エフロン/デヴィッド・オイェロウォ/メイシー・グレイ/ジョン・キューザック/ニコール・キッドマン/スコット・グレン/ネッド・ベラミー/スコット・グレン/ネッド・ベラミー

 

ペーパーボーイ 真夏の引力 - Wikipedia

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