★★★☆☆
あらすじ
やってきた依頼人が、かつて担当した事件の本当の犯人だと気付いた弁護士。
感想
嘘の芝居や経費で依頼人から金をむしり取るマシュー・マコノヒー演じる弁護士。金が全てのやり手の弁護士かと思いきや、別れた妻と良好な関係を保ち、離れて暮らす娘のサッカーの試合に応援に駆けつける人間味あふれる一面もある。
そんな彼が弁護することになったのは、かつて無実を主張していた依頼人に罪を認めさせることで死刑を免れた事件の真犯人。無実なのに服役するかつての依頼人を救うためにも真犯人を告発したいが、守秘義務のためにそれが出来ないジレンマを抱えることになる。
弁護士にとって恐ろしいのは無実の依頼人、という主人公の話はとてもよく理解できる。罪を認める依頼人であれば刑を軽くしてやっただけでも感謝されるが、無実の人間は無罪放免にしない限りは一生恨まれることになる。ましてや弁護士自身が依頼人の無実を知っていたなら、どんな弁護士だって胸が痛むだろう。
主人公は苦しい状況の中で弁護士としての務めを果たし、なおかつ依頼人の罪を告発する必要がある。こうなってくると見応えのある裁判シーンも少し複雑な状況になる。単に勝訴するだけでは素直に喜べないので、このあたりが若干すっきりしない。ただどんな状況でもあらゆる手を使って依頼人の弁護に全力を尽くそうとする、主人公なりの弁護士としての矜持を垣間見ることが出来る。
何となく物語は理解できたのだが、色々と疑問も残る。ライアン・フィリップ演じる依頼人はなぜ今回は捕まってしまったのか、彼の母親はわざわざ弁護士の調査員を殺す必要があったのか、息子についてどこまで知っていたのか等、どこか釈然としない気持ちが残る。
スタッフ/キャスト
監督 ブラッド・ファーマン
出演 マシュー・マコノヒー/マリサ・トメイ/ライアン・フィリップ/ウィリアム・H・メイシー/ジョシュ・ルーカス/ジョン・レグイザモ/マイケル・ペーニャ/ボブ・ガントン/フランシス・フィッシャー/ブライアン・クランストン/キャサリン・メーニッヒ/マイケル・パレ/ミカエラ・コンリン
音楽 クリフ・マルティネス
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