★★★☆☆
あらすじ
運転代行の仕事中に偶然、かつて自分を捨てて家を出ていった母親を見つけた男。北九州サーガ三部作第二作。
感想
「Helpless」「EUREKA」に続く「北九州サーガ」の三作目、ということらしいが「Helpless」は見ておらず、「EUREKA」は見たが内容はほぼ忘れていて、序盤はうまく話の内容を掴めなかった。冒頭に字幕で伝えられる事件は「Helpless」で描かれている内容のようだ。
北九州を舞台にしているので皆が九州弁を話すわけだが、なんか皆怖い。と最初に少し悪い印象を持ってしまうのだが、見ているうちに段々慣れてくる。
そんな九州弁を話す主人公演じる浅野忠信の存在感が相変わらず凄いのだが、彼の前でさらに圧倒的な存在感を放つのが、かつて彼を捨てた母親を演じる石田えり。捨てた息子が現れても、そして責められても全く動じない。微笑すら浮かべながらすべて受け止める。その後に様々なことが起こっても常に前向きな姿勢を崩さず、ある意味で得体のしれなさを感じさせる。
最後は、彼女と他の女たちの笑顔が次々と映し出され、映画は終わる。生きていれば色々なことが起こるが、いつも女たちが見守っていてくれているのだというメッセージのようで、安心するような、少し怖いような、そんな気分になる。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 青山真治
原作 サッド・ヴァケイション
出演
石田えり/板谷由夏/中村嘉葎雄/高良健吾/光石研/オダギリジョー/川津祐介/嶋田久作/森下能幸/山口美也子/豊原功補/とよた真帆/本間しげる
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