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「傷だらけの勲章」 1986

傷だらけの勲章

★☆☆☆☆

 

あらすじ

 エジプトで日本企業の社長が暗殺され、若い刑事は上司と共に真相を探る。

 

 西城秀樹、ちあきなおみ、中村嘉葎雄ら出演。115分。

 

感想

 冒頭は、事件の発端となるエジプトでの日本人社長暗殺事件が描かれる。その後、タイトルバックとなるのだが、そこでいきなり主人公を演じる西城秀樹のねっとりとしたベッドシーンが繰り広げられる。そして、それが終わった途端、今度はヒデキの全裸を見せつけてくるという、クセがすごい始まりだ。

 

 ここで終わっていれば面白い映画だったのだが、この後がことごとくダメだった。まず、主人公たちが何もしない。目の前で襲撃事件があったから犯人を追い、遺言書が関係あるらしいので遺族の家に行き、そこで誘拐事件が起きたから対応する、といった具合に、なんとなく事件周辺にはいるのだが、特に捜査らしきものは何もしていない。

 

 

 そして、主人公の相棒であるベテラン刑事の行動が意味不明だ。一応は、銃殺してしまった苦悩が影響していることになっているが、誘拐事件を単独で勝手に解決しようとするわ、他人の遺言書をこっそり見ようとするわ、被害者の妻に手を出すわで、やっていることが不審過ぎる。その後もますますおかしくなっていくのだが、どうしてそんなことに?と腑に落ちない。

 

 これも、彼の不審な行動には理由があったと後に示唆しているが、いつから計画していたのか、どんな風にやったのかは具体的に示されず、考えれば考えるほどよく分からない。そもそも、それをしてどうしたかったのかも不明だ。

 

 主人公は単独で行動するようになり、意味なくエジプトに飛んですぐに帰ってきたり、意味なくシンガポールに飛んでそこからエジプトに飛んだりと、何をしているのだかよく分からない描写が続く。段々とこれは何の映画なのだ?と不安になってくる。社長暗殺事件について捜査をしている様子もなく、真相が明らかにされることもない。

 

 なんだかよく分からないが、一番の悪者らしき社長の未亡人をとっちめるのがラストだ。しかし、その方法が、砂漠の真ん中で未亡人が乗ってきた車をパンクさせる、というものだからセコい。あまりのしみったれた結末に、思わずフフ、と呆れた笑みが漏れてしまう。

 

 そして、事件の全貌が改めて説明されることなくエンディングを迎える。なんとなく雰囲気で分かるでしょ、ということなのだろうが、それなら相棒のベテラン刑事の苦悩と策略をきっちり描くとか、未亡人の悪女ぶりを魅惑的に描くとか、何かしら物語の核となるものが欲しかった。主演に気を使って中途半端になってしまったのかもしれない。

 

 何をしているのかよく分からない人たちを眺めるだけの、苦行のような映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督 斎藤光正

 

脚本 大和屋竺

 

出演 西城秀樹/ちあきなおみ/朝加真由美/竜雷太/藤代美奈子/萩原流行/仲谷昇/中村嘉葎雄/小林昭二/成田三樹夫/深水三章/小林稔侍/左時枝

 

傷だらけの勲章 - Wikipedia

 

 

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