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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ラストミッション」 2014

ラストミッション

★★★★☆

 

あらすじ

  病気により余命わずかと知ったCIAのエージェントは、残りの時間を疎遠となっていた元妻と娘と共に過ごそうとするが、無理やり任務を与えられてしまう。原題は「3 Days to Kill」。

 

感想

 自身の仕事は完ぺきにこなすも作戦は失敗し、猛烈な反撃を喰らいながらも何とか切り抜ける冒頭の激しいシーンは、いきなり見応えがある。そして、病院で自身の運命を知り、沈んだ気分で自宅に戻るオープニングタイトルまでの流れはいい感じだ。背後で流れるAnn Peeblesの「Trouble, Heartaches & Sadness」も良い。

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 そして、疎遠になっていた娘と元妻に再会し、残りの時間を共に過ごそうとする。しかしそんな主人公を半ば強引に仕事に引き戻すアンバー・ハード演じるCIAの女。彼女がなぜか妙に尖ったファッションと態度だったのが謎だが、身元を隠すためのカモフラージュという事なのかもしれない。派手な服装や化粧に注意を向けさせて、本当の素顔が記憶に残らないようにしているということだろうか。しかし、この映画での彼女は、扱いが中途半端で少し可哀そうだ。

 

 仕事をこなしつつ、娘との関係を深めていく主人公の様子がコミカルに描かれる。仕事は完ぺきだが、娘とはどう接していいか分からず、戸惑う主人公。同年代の娘を持つ敵の一人に相談したり、パスタを作りたいという娘のために組織のイタリア人会計士の男を締め上げて、無理やりレシピを聞き出すといったシーンは面白かった。

 

 

 それから、パリが舞台、アメリカ人が主役という事で、お前はカウボーイじゃないのか?みたいなアメリカ人ネタも多い。このパターンはよく見るような気がするが、ヨーロッパにおいては、アメリカ人はネタにされやすいのだろうか。それとも、脚本のリュック・ベッソンがそういうネタが好きなのか。

 

 徐々に距離を縮めていく主人公と娘の関係にはほっこりさせられるが、全体としてはどこか物足りないものを感じる。主人公のCIAとしての能力が高過ぎて、まるで片手間に仕事をやっているように見えてしまい、緊張感がないからか。こちらももっと手に汗握る展開であれば、ハートウォーミングとアクションの2本立てでより良くなっていたかもしれない。

 

 それから、しばらく部屋を空けていただけで移民に不法に家を占拠されてしまうなんてフランスはすごい。しかも、もし強引に追い出したら、家主が逮捕される可能性もあるなんて。これは「居住権」とかで日本でも同じなのかもしれないが。フィクションとはいえ、フランスではよくありそう、と勝手に思ってしまった。

 

 この移民の家族たちと主人公は奇妙な同居生活をし、ここでもハートウォーミングな良い話があるのだが、全体としてみるとちょっとこのパートは余計かな、という気がした。悪くはないのだが。これをごっそりカットして、その分、その他の話にもっと厚みを出した方が良かったのでは、という気がする。

 

スタッフ/キャスト

監督 マックG

 

脚本/原案/製作 リュック・ベッソン


出演

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ヘイリー・スタインフェルド/アンバー・ハード/ コニー・ニールセン/リチャード・サメル/エリック・エブアニー/トーマス・レマルキス/レイモンド・J・バリー

 

音楽 ギヨーム・ルーセル

 

ラストミッション

ラストミッション

  • ケヴィン・コスナー
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ラストミッション - Wikipedia

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