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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「スパイ・ゲーム」 2001

スパイ・ゲーム [DVD]

★★★★☆

 

あらすじ

 元部下が中国で拘束されるも見殺しにされることを知り、何とか助けようとするベテランCIAエージェント。126分。

 

感想

 政治的判断で見殺しにされそうになる元部下を助けようとする主人公。スパイらしく世界中を飛び回るのではなく、CIAの建物から一歩も出ることなくそれを画策するのが面白い。様々な手法を使って局内で情報を集め、高官たちの裏をかいていく。スリルのある展開だ。

 

 しかしスパイ1人を見殺しにするためだけに高官たちが集まって会議をするというのはすごい。のちのち露呈した時のために、然るべきことはしたと記録を残しておくという防衛策ではあるのだが、どっかの国だと政府の人間が「自己責任」だと犬笛を吹き、それに反応した人びとがそれが世論、みたいな風潮を作り上げ、世間もそれに同調してしまって何もかもが雰囲気で進行し、すべてが有耶無耶になっていくだけなので羨ましい。ちゃんと記録を残せば経緯も分かるし、適切だったかの判断も下せるし、反省を基に改善していくことも出来る。

 

 そんなCIA内での対応策を練る現在の状況と共に、主人公と元部下の過去の仕事も回想されていく。そこで二人が衝突を繰り返していたことが分かるので、最初は主人公の意図が読めず、実はこの部下が捕まった作戦にも関わっているので誤魔化そうとしているのではないかとか、別のたくらみがあるのではないかとか、色々と深読みをしてしまった。だが実際のところは単純に、それでもかわいい元部下を助けようとしているだけだった。

 

 

 主人公がスパイの技術を駆使し、事態を完全に掌握していく手際は見事だった。中でも、自分の奥さんにおどけて「ディナー作戦実行だ!」と言っているように見える最高にダサいシーンが、実は最高にカッコいい瞬間だったというクライマックスは痛快だった。細かい部分では分からなかったり腑に落ちない部分があったりするし、散々協力者を見殺しにしてきたくせにと欺瞞に思わなくもないのだが、それでもこれまで積み上げてきた全てを賭けて、全力で元部下を救おうとする主人公の姿には胸を打たれた。引退直前の勤務最終日だったという事で、これまでの贖罪的な意識もあったのかもしれない。元部下に言い聞かせていた事とはすべて反対の事をしている。そして、すべてをなげうってまで元部下を助けたのに、感動の再会をするでもなく、ただ無言で去っていくだけのラストもクールだった。

 

スタッフ/キャスト

監督    トニー・スコット

 

製作 ダグラス・ウィック/マーク・エイブラハム

 

出演

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キャサリン・マコーマック/スティーヴン・ディレイン/マリアンヌ・ジャン=バプティスト/デヴィッド・ヘミングス /シャーロット・ランプリング

 

スパイ・ゲーム [DVD]

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