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「ラスト・パニッシャー」 2019

ラスト・パニッシャー(字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 ボスの身代わりとして19年服役した男は、出所後、裏切り者たちへの復讐に乗り出す。

 

感想

 出所した男の復讐譚が描かれる。しかしまず、主人公が出所したのが深夜だったのが気になった。時間は明示していないので定かではないが、いかにもそんな感じの時間帯だった。そんな時間に出所させられてもどこにも行けないだろうし、迎えに行く方も大変だ。そんなことある?と違和感しかなかったが、その後の展開から考えると、おそらく演出として敢えてやったのだろう。

 

 出所後の主人公は、約20年ぶりに再会した息子との時間を大切にしつつ、復讐を果たすためにかつての仲間たちを訪ねていく。ただ主人公が怒りに燃えているのは分かるのだが、何に怒っているのかは分からない。ボスの身代わりになったのも無理やりではなく、自分の意思だったようなので、それで恨むことはないはずだ。

 

 

 その理由は物語が進むにつれて明らかになっていくのだが、それが分かる前に主人公が色々とやってしまうので、なんの感情移入も出来ずにただポカンと眺めるしかない時間帯が長く続いて辛かった。そして理由が分かっても結局腑に落ちず、モヤモヤしたままだ。

 

 主人公は、思っていたより刑期が長かったというが、刑期などは大体誰にでも事前に予想ができるものなので、騙すことは難しく、見通しが甘かったのか、運が悪かっただけでしかない。誰も責められない。それに主人公の怒りの最大の原因も、辛いかもしれないが納得できそうなものだった。皆で事前に相談するなり説得するなりすれば良かっただけだ。それにそういうことならかつての仲間たちも悪ぶる必要などないのに、なぜか一人だけいかにも悪者らしい振る舞いをしていたのは謎だった。

 

 物語は当初の予想を裏切って、ヒューマン・ドラマ的な展開になっていく。しかし、息子との関係、突然現れた運命の女性、復讐の無意味さなど、どれをとっても薄っぺらい。映画に深みを出したかったのかもしれないが、そんな中途半端なことをしないでこちらの期待通りの普通の復讐劇にして欲しかった。

 

 正直、ポスターが匂わせているようなB級アクション映画を普通に見たかった。途中でいきなりチープな「シックス・センス」的展開が始まった時には、そんなの求めてないよと思わず苦笑してしまった。

シックス・センス (字幕版)

シックス・センス (字幕版)

  • ブルース・ウィリス
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 個人的に大好きな主演のニコラス・ケイジのクセのある演技も、あまり見られなかったのは残念だ。良かったのは、スイート・ルームの備品が気になるニコラス・ケイジ、真犯人に思いの丈をぶちまけるニコラス・ケイジ、くらいだった。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作総指揮 ショーン・クー

 

製作総指揮/出演 ニコラス・ケイジ

 

出演 ノア・ル・グロ/カロリーナ・ビドラ/モハメド・カリム/イアン・トレイシー/ベンジャミン・ブラット

 

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