★★☆☆☆
あらすじ
集団で暴行されたにもかかわらず、加害者側の悪徳弁護士の力によって裁判でも不利な状況に立たされた被害者の女性に同情し、復讐を誓う刑事。
感想
暴行された上に裁判でもつらい状況に置かれてしまった被害者女性。そんな女性のために法に代わって男が加害者たちに制裁を与えていく物語。スカッとした話になりそうなものだが、全然そうはなっていない。
とりあえずニコラス・ケイジ演じる主人公と、被害者女性との関係が希薄すぎる。たった一度、酒場で話をしただけで、あとは犯行現場に駆け付けたくらい。主人公は刑事なのだから、それぐらいの経験は何度もしているはずで、それならこれまで何度も義憤に駆られて私刑を行っていないとおかしい。
なぜ彼女は特別だったのか、それがあまり伝わってこないので、主人公の行動が怪しく見えてしまう。依頼されたわけでもなく、勝手に憤って加害者を処刑していく。その処刑の仕方も相手に懺悔させるでも命乞いさせるでもなく、淡々と見せ場なくあっさりと殺してしまう。あまりの手際の良さに、見ていてスカッとするというよりも、もしかして主人公の方がやばい奴なのでは?と引いてしまった。
ただ、加害者側が酷すぎるのも事実で、本人たちは全然反省していないし、被害者にわざわざ嫌がらせに行くのに加えて、妹は被害者の娘を脅迫し、母親は被害者をビッチ呼ばわりする始末。なんて家族だと反吐が出る。確かにこんな家族を相手にしないといけないなんて辛すぎる。
前半の暴行シーンも当然辛いので、なんだかずっとやりきれない気持ちのまま映画を観ることになってしまう。
ラストで被害者の娘が主人公に感謝をするのだが、なんで?と思ってしまった。おそらく娘の視線だと、何もしないくせになぜか母親の近くにいつもいた気味の悪い刑事、くらいの認識になってるはずなのだが。こんな調子でこの映画はどこかちぐはぐな描写が続く。そういえば冒頭の刑事の相棒が死んでしまうシーンも特に必要なかったのでは?と急に思い出して、さらにモヤモヤとした気分になってしまった。
スタッフ/キャスト
監督 ジョニー・マーティン
原作 Rape: A Love Story (English Edition)
製作/出演 ニコラス・ケイジ
出演 アンナ・ハッチソン/タリタ・ベイトマン/デボラ・カーラ・アンガー/ドン・ジョンソン
ヴェンジェンス (2017年の映画) - Wikipedia
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