★★☆☆☆
あらすじ
10年の刑期を終え出所するや、兄を殺し、自分を刑務所に入れた男たちへの復讐を開始する男。
感想
冒頭の主人公の出所から最初の復讐までのスピード感やスタイリッシュな映像に、映画への期待がぐんぐんと上がった。容赦なく復讐を次々と果たしていく「96時間」を連想させるような滑り出し。
しかし、ここからどんどんとトーンダウン。最初の思い切りの良さは次第に失われていく。相手に話をさせたりして問答無用ではなくなり、主人公自身も負の連鎖を生み出す復讐という行為に、迷いが生じ始める。復讐相手も最初は極悪人みたいな描き方だったのに、いざ相対するとそんなに悪い奴ではなさそうで、どうにも調子が狂う。
そして新たに登場したキャラクターの主人公を殺すよう依頼された殺し屋。すでに金持ちで、趣味で仕事をしているのだが、こいつの仕事が全然なっていない。なぜか必ず主人公が復讐を終えてから現れる。まぁ護衛ではないからいいのかもしれないが、でも普通、相手が殺す前に殺すのが殺し屋じゃないのか?こいつに仕事を頼む前には、一旦、依頼する業務の内容について話し合って、意識のすり合わせをする必要がありそうだ。
復讐の無意味さに気づくという映画も全然悪くはないだが、当初の期待とは全然別の方向にいってしまったというがっかり感がある。最初に期待してしまった分、その反動で落胆が大きいというか。ただ、刑事役のビリー・ボブ・ソーントンの枯れた演技も良かったし、アクションシーンにもこだわりが感じられ、随所にセンスも感じられた。それだけに惜しい。
スタッフ/キャスト
監督 ジョージ・ティルマン・Jr
出演 ドウェイン・ジョンソン/ビリー・ボブ・ソーントン/オリヴァー・ジャクソン=コーエン/カーラ・グギノ/マギー・グレイス/ムーン・ブラッドグッド/アドウェール・アキノエ=アグバエ/コートニー・ゲインズ/マイク・エップス/ザンダー・バークレイ/トム・ベレンジャー/ジェニファー・カーペンター
音楽 クリント・マンセル