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「日本やくざ伝 総長への道」 1971

日本やくざ伝 総長への道

★★★☆☆

 

あらすじ

 刑務所に入った兄弟分の女を探すヤクザの男は、跡目を狙う男の策略により、大阪での抗争に巻き込まれていく。

 

 高倉健主演、若山富三郎、鶴田浩二ら出演。マキノ雅弘監督。99分。

 

感想

 主人公は、刑務所に入った兄弟分に頼まれ、その女の世話をすることになる。だがその女は兄弟分に気がなく、実は主人公のことが好きだったというやるせない展開だ。女のために刑務所に入った兄弟分がピエロみたいで、気の毒になる。

 

 主人公も女に気持ちがあったようだが、兄弟分との約束を守り、あくまでもその女として扱おうとする。だが女の気持ちを知っていながら全く無視しているわけで、兄弟分にとってはありがたいかもしれないが、女にとっては酷な対応だ。彼女が逃げてしまったのも理解できる。

 

 

 やがて主人公は、跡目を狙う男の策略により、大阪での抗争に巻き込まれていく。それまでの浜松の親分とのやり取りや、子分志願の若者をあしらう場面で主人公の凄みはすでに伝わっていたが、相手陣営に乗り込み、親分と談判した時のシーンは見ごたえがあった。

 

 両者で話し合っていた最中に、主人公は銃で狙われる。それに気づいた時の、主人公の親分への詰め寄り具合が怖かった。すでに十分緊張感がある状況なのに、さらにその度合いがもう一段上がったような、ピキピキと張りつめた空気になる。こういう迫力ある雰囲気を作れるのが、演じる高倉健の魅力だろう。

 

 なりふり構わなくなった相手陣営は反撃に出るが、その非道ぶりには引いてしまう。だがそんなことをやれてしまうのなら、最初からそうすればよかったのにと思わなくもない。

 

 いい感じにフラストレーションが溜まったところで、単身で敵陣に乗り込むクライマックスになる。ワンパターンだなと思いながらも、なんだかんだで気持ちは高揚する。ただ、そのまま雪崩れ込むように大勢を敵に回しての斬り合いになるのかと思ったら、鶴田浩二演じる男との一騎打ちが始まるのは少し意外で新鮮だった。

 

 そして刑務所に入っていた兄弟分がどこで聞きつけたのか、参戦してくるのもなんだかコミカルで良かった。愚直で憎めない男を若山富三郎が好演している。ただ、一騎打ちが中途半端に終わったり、佳境で死にかけの主人公と兄弟分が女について語り出したりと、どこかしっくりこないものがあった。

 

 終盤に物足りなさを感じてしまう映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督 マキノ雅弘

 

脚本 高田宏治

 

原作 総長への道 前篇 (角川文庫)

 

出演

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若山富三郎/野川由美子/鶴田浩二/松方弘樹/大木実/木暮実千代/八名信夫/嵐寛寿郎/遠藤辰雄

 

音楽 木下忠司

 

日本やくざ伝 総長への道 - Wikipedia

日本やくざ伝 総長への道[公式]- YouTube

 

 

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