BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「龍三と七人の子分たち」 2015

龍三と七人の子分たち [DVD]

★★★☆☆

 

あらすじ

 引退して肩身の狭い老後の生活をしている元ヤクザが、昔の仲間と共に再び組を立ち上げる。

 

感想

 冒頭からしばらくは、笑わせようとしているパートがそんなに笑えなくて困った。北野映画らしくなく、説明っぽい長々としたセリフが続く。状況の可笑しさではなく、小話で笑わせようとしている。

 

  ただ、何となく映画のリズムをつかみだすと慣れてくる。細かいギャグがジャブのように次々と撃ち込まれて、時々クリーンヒットするという流れ。なかでも、中尾彬のコメディアンぶりが面白かった。とぼけたなんとも言えない良い表情をする。多分本人も十分意識的にやっているとは思うが、お気に入りのおもちゃみたいな感じで、監督に遊ばれているようにも見える。

 

 

 反グレとそれに憤る元ヤクザの年寄りたち。元ヤクザたちが子供じみているのは職業柄もあるのかもしれないが、年寄りだからというのもあるはず。年寄りは総じて子供っぽくなるが、大人になってそれを隠すためにまとっていた体裁や見栄を少しずつ捨てていってしまうからなのだろう。カッコ悪いからと我慢していたことを、カッコつけてもしょうがないと我慢しなくなってしまう。

 

 主人公たちの駄目でしょうがないところをさんざんさらけ出して笑かしておきながら、最後は昔取った杵柄で、カッコいい姿を見せて熱く締めくくる義理人情物語にするのかと思ったら、そんな気はさらさらなく、最後までふざけ通しで終わったのはさすがだ。クライマックスの中尾彬をおもちゃにした悪ふざけが最高だった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/編集/出演 北野武(ビートたけし)

 

出演 藤竜也/近藤正臣/中尾彬/安田顕/品川徹/樋浦勉/伊藤幸純/吉澤健/小野寺昭/萬田久子


音楽 鈴木慶一

 

龍三と七人の子分たち [DVD]

龍三と七人の子分たち [DVD]

  • 発売日: 2015/10/09
  • メディア: DVD
 
 

龍三と七人の子分たち - Wikipedia

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com