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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「友よ、静かに瞑れ」 1985

友よ、静かに瞑れ

★★★★☆

 

あらすじ

 沖縄で地上げ屋に抵抗して留置場にいる旧友を助けるために、彼の経営する宿屋にやって来た男。

 

感想

 沖縄が舞台の映画だ。冒頭で主人公が辺野古の町を車で彷徨うシーンはなかなかインパクトがあった。英語と日本語が入りまじった看板が並ぶごちゃごちゃとした街で、多国籍で異様な雰囲気が漂っている。

 

 今もこんな感じなのかと後でGoogleストリートビューで見てみたら、にぎやかな看板が減ってだいぶ落ち着いたというか鄙びた感はあるが、だいたい同じで変わっていないようだった。

 

 留置場に入れられた旧友を助けるべくやって来た主人公が、現地の警察・ヤクザ・地上げ屋の癒着を調べつつ、友人の真意を探っていく。全体的にセリフが少なく、たっぷりと間を取ったシーンも多く、静かに進行する。アクションシーンもわずかにあるが決して派手ではなく、おとなしい印象があった。だがそれでも全然ダレることなく、普通に見ていられる。

 

 それは映画全体を貫くハードボイルドな雰囲気があるからだろう。映画が静かな分、行間から男たちの生き様や女たちの想いが濃厚に浮かび上がってくる。特に主人公と倍賞美津子演じる旧友の恋人との間に生まれた、なんとも言い難い微妙な関係を描くシーンが良かった。ミラーボールの光だけが揺れる薄暗いスナックで二人で静かに語り合うシーンなど、印象に残るシーンも多かった。

 

 

 しかし倍賞美津子は、男まさりな雰囲気を醸し出しておきつつ、ふと女っぽい様子を見せるだけで途端に魅力的に見えてしまうのだからズルい。こういうギャップは大事だ。

 

 それから見ていると、なんとなく北野武やウォン・カーウァイの映画を思い起こさせる時があり、もしかしたら彼らはこの映画から影響を受けているのかもしれないと思ったりしたが、気のせいだろうか。特にウォン・カーウァイはこの映画の音楽を担当している梅林茂を起用したりもしている。宿屋の屋上のシーンなどは、どこか「2046」ぽかった。

 

 ついに旧友が留置場から戻ってくるラストは、ほとんど誰も言葉を交わすこともなく、いくらなんでもハードボイルドすぎやしないかと思ったが、これはこれで徹底していてありだ。

 

スタッフ/キャスト

監督 崔洋一

 

脚本 丸山昇一

 

原作 友よ、静かに瞑れ (角川文庫 (6000))

 

製作 角川春樹

 

出演 藤竜也/倍賞美津子/高柳良一/六浦誠/室田日出男/佐藤慶/宮下順子/林隆三/常田富士男/ジル・ジェイド(PERSONZ)

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音楽 梅林茂

 

友よ、静かに瞑れ - Wikipedia

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