★★★☆☆
あらすじ
父親の借金のカタに売られた元バスガイドの女と、引き取った女衒の男。115分。
感想
この物語の核となるのは、芸妓が女衒に密かに思いを寄せるという部分だが、いつ、何がきっかけでそうなったのかが分からないので、どうにも納得できず、うまく話に入っていけなかった。
この映画は他にも肝心な部分が描けておらず、結局セリフで説明するだけなのが残念な感じになっている。南野陽子演じる芸妓が売れっ子になったというのもいまいち伝わってこない。なんだか南野陽子も脱ぎ損になってしまった。
そして、物語を引っ掻き回す元関取でヤクザの子分を演じる高嶋政宏。まだこの頃は育ちのよさや品の良さが出てしまっている。とても一目惚れした女のために、独りよがりの思い込みで突っ走る男には見えなかった。せめて外見だけでもワイルドさを演出すればいいのにと思ってしまった。
西田敏行演じる女衒の、義理人情を重んじるヤクザ映画ぽい立ち回りはカッコよくて面白いのだが、それは高嶋政宏が意味不明のわがまま放題だったせいだし、南野陽子が余計な動きをして迷惑をかけてるしで、あまりスッキリとした気分にはなれなかった。
スタッフ/キャスト
監督
原作 寒椿 (新潮文庫)
出演
南野陽子/高嶋政宏/かたせ梨乃/藤真利子/野村真美/岡本麗/三谷昇/笹野高史/河原さぶ/白竜/段田安則/本田博太郎/神山繁/高橋悦史/萩原流行/荒勢/山村紅葉
撮影 木村大作