★★★★☆
個人的にマイケル・ジャクソンって死なないと思ってた。50年後も100年後も同じように色々な話題を振りまき、あれ、よく考えたらマイケルって150歳くらいなんじゃね?とか笑い話をしていてもおかしくないって思ってた。けど、やっぱりマイケルも人間だった。
普通に考えて50歳の人間が世界トップレベルのダンサー達を従えて、彼ら以上のパフォーマンスをこなすって言うのが、とてつもなくすごい。50歳なんてもう立派なおっさんなのに、キレが半端ない。リハーサルだから全力でないというのに。本物の凄みだ。
ゴシップやその容姿や行動で常人離れした雰囲気のあったマイケルだが、ことエンターティメントに関しては本物のプロフェッショナル。子供の頃から叩き込まれていただけに、常に観客を楽しませることを意識している。最高のパフォーマンスをしようとするからこそあのダンスのキレがあるのだろうし、演出についても積極的だ。
マイケルが出演者・スタッフと円陣を組んだときのスピーチを聞いて、あーこの人は本当にエンターティメントを理解していると思った。観客が彼に何を期待しているのかを理解しているし、なぜ彼がスーパースターなのかも、あのスピーチを聞くだけですべて分かるような気がした。
マイケルが死んでしまったから生まれたこの映画、もしマイケルが無事この公演を終えていたら存在しなかったわけだが、それでもやっぱりマイケルはすごかったと人々は絶賛しただろうか疑問。自分も含めて死んでから改めて再評価や賞賛するよりも、生きてるうちにもっと賛辞を送る世の中だといいなと、死んで欲しくなかった人が死んでしまうといつも思う。
監督 ケニー・オルテガ
監督/出演/音楽 マイケル・ジャクソン
マイケル・ジャクソン THIS IS IT - Wikipedia