★★★★☆
あらすじ
仕事をクビになり帰宅する女性。その岐路に電車に飛び乗れた場合と乗れなかった場合のその後の人生を描く。
感想
この映画は、ドアが閉まる寸前の電車に滑り込めたか、滑り込めなかったかで違った人生が展開されるが、本当の人生であれば、その後も無限に分岐点が存在している。右足から家を出たか、左足から出たか。本屋で気になった本を購入したか、そのまま店を後にしたか。そんな些細な違いで人生が少しずつ変わっていく。
残念ながら、もう一つの選択肢を選んでいたらその後どうなったのかを知ることはできないが、そういった数限りない分岐点での選択を繰り返して今の自分がいるわけで、そう考えるととても不思議な気分になる。
電車に飛び乗れた場合のグウィネス演じる女性は、同棲相手の浮気を発見でき、いい男と出会うこともできて、いい方向に自分自身も変わることが出来た。やはり悪いニュースは早めに知った方がいい。しかし相手役のジョン・ハナーは、いい男なのだろうか?お喋りで妙にテンションが高いし、イギリスのロビン・ウィリアムスといった感じ。なんだかヤバそうで好きになれなさそうだが。
それからイギリス人の結婚観もよく分からない。勿論不倫は良くないという認識はあるようだが、でも別居中で離婚寸前なら問題ないという認識。そんな男の話を真に受けて安心してしまっていいものだろうか。それでも不倫には違いないはずだが。
日々の些細な選択の連続で少しずつ人生は違っていくが、どんな人生になっても運命の人には必ずどこかで出会ってしまうという事か。そして順調に思える人生も、その先何が起きるかなんて分かったものじゃないというメッセージや、映画の随所にみられるイギリス人らしい皮肉等、なかなか悪くない映画だった。エンディングで流れるDidoの曲「Thank You」もいい。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ピーター・ハウイット
製作
出演
ジョン・ハナー/ジョン・リンチ/ジーン・トリプルホーン/ザーラ・ターナー/ダグラス・マクフェラン /ポール・ブライトウェル/ニナ・ヤング
音楽 デイヴィッド・ヒルシュフェルダー