★★★★☆
あらすじ
夫の浮気現場を目撃した妻が、子供二人を連れて家を出て全米を転々とする。
感想
自分の子供が通っている学校さえ分からず、金を持った男と結婚することでやり直そうとするような母親。相当嫌な女だが、常に前向きで気丈でもあり、どこか憎めない。そんな母親をレネー・ゼルウィガーがうまく演じている。
そしてそんな母親に反発する息子。ずいぶん甘えた子供だな、と思わないこともないが、独りよがりの母親に振り回されっぱなしなので同情する部分もある。
もう若くもなく、世間知らずであることを息子に指摘され、内心気づいているのに、それでも大丈夫、きっといい事がある、と頑なに信じている母親には軽く感動さえしてしまう。好転しない状況でも前向きでいられるということは、それまでそんな状況になったことがなく、苦労を知らないからとも言えるのかもしれないが、芯がしっかりした人間なのだろう。
各地を転々としながら様々な出来事に出会い、彼女自身も成長し、それまで自分の付属物程度の認識でしかなかった子供との関係も改善されていく。
アスベストを絶賛したり、飛行機内でタバコを吸う描写をしたりと、今ならえっ?となるようなシーンをわざと描いて、時代の空気を演出してみせるのも面白かった。
スタッフ/キャスト
監督 リチャード・ロンクレイン
製作総指揮 ジョージ・ハミルトン
出演 レネー・ゼルウィガー/ケヴィン・ベーコン/ローガン・ラーマン/クリス・ノース/ニック・スタール/スティーヴン・ウェバー/デヴィッド・ケックナー/エリック・マコーマック