★★☆☆☆
あらすじ
ロンドンの米国大使館でアメリカへの入国を画策するテロリストを調査していた女は、陰謀により自らがテロリストとして追われることになる。
感想
テロリストの疑いのある人物を調査し、アメリカへの入国を防ぐのが任務のミラ・ジョヴォヴィッチ演じる主人公。テロリストたちがそんな主人公を消そうとするのは分かる。だが、殺し屋に依頼し実行するも失敗。
そしてここからは全て行き当たりばったりで誰も事態をコントロールできていない状態をながめることになる。主人公が最初の爆破から免れたのは偶然、主人公が誤って内通者を殺してしまったのも偶然で、だから容疑者となったのも偶然。当初の計画からは完全に狂ってしまっているのだから、一旦状況を整理しようよと、皆に呼びかけたくなった。
そしてこの事態の元凶は、暗殺に失敗したピアース・ブロスナン演じる殺し屋。こいつがジェームス・ボンドばりに相手を追い詰めるのだが、肝心な所で必ず失敗する。本当は余裕綽々で冷酷に主人公に迫る恐ろしい殺し屋というのを描きたかったのだと思うが、こう何度もしくじられると流石にああこいつは仕事できないな、というのが分かってしまう。コメディ感すら漂っていた。挙句の果てには、ターゲットを追うのを止めて別の仕事に行っちゃってるし。そんな事じゃ一流になれないよ、と説教したくなった
その殺し屋に追われる主人公。正直彼女もどうしたいのかがよく分からなかった。容疑者として追われているのだから逃げるのは分かるが、まずは潔白を証明することに全力を注げばいいのに、途中から何故かテロを防ぐことに全力を注いでいる。いつ逃げることから、テロを防ぐことにシフトしたのか全然わからない。テロを防ぐことが自分の潔白を証明する事になるわけでもないし。追われているのに終盤まで全く変装しようとすらしないのもイライラした。
それに外交官である主人公が、なぜ殺し屋と戦っても負けないくらい強いのかもよく分からなかった。もしかしたらバイク通勤しているような女はアクティブでしょ?ということなのかもしれない。それとも「バイオハザード」シリーズに主演しているからなのか。
最後に911以降、アメリカは数多くのテロリストの入国を阻止してきたと無駄なテロップが入るのだが、こんなに関係各所がやらかしている映画でそれ言う必要がある?と思ってしまった。逆に不安になるような気がするのだが。
スタッフ/キャスト
監督 ジェームズ・マクティーグ
製作 チャールズ・ウィンクラー/アーウィン・ウィンクラー/マット・オトゥール/レス・ウェルドン/ボアズ・デヴィッドソン
出演 ミラ・ジョヴォヴィッチ/ピアース・ブロスナン/ディラン・マクダーモット/アンジェラ・バセット/ロバート・フォスター/ジェームズ・ダーシー/フランシス・デ・ラ・トゥーア/ロジャー・リース