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「ノー・グッド・シングス」 2002

ノー・グッド・シングス(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 行方不明の女を探すために聞き込みをしていた刑事は、勘違いから犯罪者集団に監禁されてしまう。

 

感想

 行方不明者の聞き込みをしていたら、自分たちの捜査をしていると勘違いした犯罪者集団に監禁されてしまった主人公。その発端が、どこにでもいそうな老夫婦のお宅にお邪魔したら、というのが意外性があって良かった。全然予期できなかった。

 

 それから、目を離さないためという名目なのだろうが、犯罪者たちが食事をするときに、椅子に縛り付けられた主人公も何故か同席させられているのが可笑しかった。食事は皆でテーブルを囲むのがマナーという欧米らしいこだわりが感じられる。

 

 主人公は終盤までずっと椅子に縛り付けられ、身動きが取れないままの状態が続く。しかも主人公が何をしようとしているのか、完全に観念しているのか、それとも脱出のための糸口を必死に探しているのか、その意図が分からないので、映画がどこに向かおうとしているのか判然としなかった。何となく時間が過ぎるだけで動きが乏しく、面白みに欠ける。

 

 

 一応は2度ほど主人公は抵抗を試みるのだが、他にやりようがあるだろうと思ってしまうような行動であっさりと失敗してしまう。こういうもどかしさを感じて焦れる展開は、監禁ものでは定番といえば定番の流れではあるのだが。

 

 主人公が囚われて動きがない間は、犯人グループたちの犯行が描かれていく。その様子から、リーダーの男にメンバーたちが反発を感じながらも渋々従っているという彼らの関係性が見えてくるのだが、なぜそこまで皆がリーダーを恐れているのかが謎だった。チャンスはあるのにどうせバレると逃げることをあきらめている女や、あとは引き金を引くだけだったのに説得されて止めてしまう男など、なんで?と思う事の連続で釈然としなかい。重要な所なので、そんな関係性に対する説得力のある丁寧な説明が欲しかった。

 

 なかでも女の行動は特に意味不明で、主人公も戸惑っていたが、反発したり従順になったりと結局何がしたいのかがよく分からない。基本的にはマインドコントロールされてしまっているという事なのだろうか。もしかしたら、彼女の気まぐれな子猫のような魅力を映画の核にしたかったのかもしれないが、気持ちよく翻弄されるというよりは、ただただ苛立たしいだけだった。演じるミラ・ジョヴォヴィッチ自体は確かに魅力的ではあるのだが。

 

 最後は主人公がクールに決めるのだが、そんなことよりも犯人グループたちのわけの分からなさが気になって、どうにも締まりのない印象の映画になってしまっている。

 

スタッフ/キャスト

監督 ボブ・ラフェルソン

 

原作 「ターク通りの家」 「コンチネンタル・オプの事件簿 (ハヤカワ・ミステリ文庫)」所収

 

出演

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ミラ・ジョヴォヴィッチ/ステラン・スカルスガルド/ダグ・ハッチソン/ジョス・アクランド/グレイス・ザブリスキー/エミリー・ヴァンキャンプ

 

ノー・グッド・シングス(字幕版)

ノー・グッド・シングス(字幕版)

  • サミュエル・L・ジャクソン
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ノー・グッド・シングス - Wikipedia

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