★★★☆☆
あらすじ
自分の父親を殺した男の息子からの挑戦を受けて立つもボコボコにされてしまった主人公。
「ロッキー」シリーズのスピンオフ「クリード」シリーズの第2作目。原題は「Creed II」。
感想
「ロッキー4/炎の友情」で主人公の父親を死なせ、さらにロッキーと死闘を繰り広げたドルフ・ラングレン演じるロシア人ボクサーの息子が今回の対戦相手だ。
あの戦いからしっかりと35年の月日が流れ、それだけの歳を重ねたドルフ・ラングレンとシルヴェスター・スタローンが再会するシーンは感慨深いものがあった。ただかつて拳を交えた者同士で旧交を温めるのかと思ったら、相変わらずピリピリとしていたのは意外だった。あの頃のソ連人の悪役らしいキャラを保っている。
主人公はこの因縁のあるボクサーの挑戦を受けて立つ。序盤の段階でその試合が始まってしまうので、クライマックスには早すぎるだろうと心配してしまったが、ボコボコにされながらも運よく勝利するという決着となる。このままでは引き下がれない状況を作る上手いプロットだ。だがすぐには再戦とならず、この試合で自信を失ってしまった主人公が再び闘志を燃やし、立ち上がるまでのドラマが描かれる。
クライマックスは、主人公が敵地ロシアに乗り込んで行う再戦だ。前回の試合内容から誰もチャンピオンが勝つとは思っていないというのはなかなかすごい状況で面白い。そんな逆境の中で、主人公が何とか活路を見いだそうと死に物狂いで戦う姿にはやはり胸を打たれてしまった。前作で見られず不満だった主人公が気力だけで戦っているような、ぐちゃぐちゃでドロドロになる姿もわずかながら見られる。
それなりの満足感はあるのだが、フォーマット化されたストーリーに置きに行っているだけの安易さを感じなくもない映画だ。それにこの映画に限った話ではないが、過去の作品をいじくりまわすだけの懐古主義的な流れにいい加減飽きてきたところもある。話のツカミとしてそれがあってもいいのだが、見終わった時にはそれを忘れて別の何かが残っているようなものであって欲しかった。
ちなみに今回のロッキー自身の戦いは、なかなか取り替えてくれない家の前の外灯の電球を役所に取り換えさせることだった。なお、その勝敗は不明だ。
スタッフ/キャスト
監督 スティーヴン・ケイプル・ジュニア
原案 サッシャ・ペン/チェオ・ホダリ・コーカー
製作 ケヴィン・キング=テンプルトン/チャールズ・ウィンクラー/ウィリアム・チャートフ/デヴィッド・ウィンクラー/アーウィン・ウィンクラー
脚本/原案/製作/出演 シルヴェスター・スタローン
製作総指揮/出演 マイケル・B・ジョーダン
出演 テッサ・トンプソン/ウッド・ハリス/フィリシア・ラシャド/フロリアン・ムンテアヌ/ドルフ・ラングレン/ウッド・ハリス/マイロ・ヴィンティミリア/アンドレ・ウォード/ブリジット・ニールセン
音楽 ルドウィグ・ゴランソン
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