★★★★☆
あらすじ
ファッション業界に打撃を与えかねない政策を行うマレーシアの首相を暗殺するために、殺し屋に仕立てられてしまったファッションモデル。
感想
ファッションモデルは、体格はいいが頭は空っぽなので、洗脳すればいい殺し屋になるとか、ひど過ぎる言い草で笑ってしまう。モデルの頭の悪さを強調するようなギャグがたくさん出てきて面白かった。中でもパソコンの電源のつけ方が分からなくて、アップルの林檎のロゴマークを執拗に押すシーンは爆笑してしまった。
この映画はコテコテのギャグを押し付けてくるのではなく、生真面目な雰囲気で面白いことをやったり、くだらないことを真剣にやり切ったりと、日本人の感覚に合いそうな笑いが散りばめられていて、ドン引きさせられることはほとんどない。ずっと半笑いで観ていられるような映画で楽しかった。
そして主人公を殺し屋に洗脳するシーンも面白かったのだが、その中で児童虐待につながる未成年者の労働を規制する政策について、働きたい子供だっているのにその権利を奪うなんてひどい、とアクロバティックに非難する場面があり、ちょっと素直に笑えないものがあった。最近こういう詭弁を弄する人が多いし、それにコロッと騙されてしまう人も思いのほか多いので複雑な気分になる。本来は、トンデモな主張してるよ、と軽く笑って済ませるだけのシーンのはずなのだが。
デヴィッド・ボウイから後に大統領となるドナルド・トランプまで、豪華な有名人達がたくさんカメオ出演しているのも見どころの一つ。ボーッとしていると見逃してしまうほどだ。そして、ファッション業界をおちょくる映画なのに、トム・フォードやジャンニ・ヴェルサーチなどのデザイナーやモデルといった業界の人間たちがたくさんカメオ出演しているのも興味深い。彼らは映画の内容を理解した上で面白がって出ているのだろうか。
80年代の楽曲を中心とした劇中の音楽も良くて、よく出来たコメディ映画として十分に楽しめる作品。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/原案/製作/出演 ベン・スティラー
製作 スチュアート・コーンフェルド/スコット・ルーディン
出演 オーウェン・ウィルソン/クリスティン・テイラー/ウィル・フェレル/ミラ・ジョヴォヴィッチ/ジェリー・スティラー/デイヴィッド・ドゥカヴニー/ジョン・ヴォイト/ヴィンス・ヴォーン/ジュダ・フリードランダー/アレクサンダー・スカルスガルド/ジャスティン・セロー
音楽 デヴィッド・アーノルド
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