★★★★☆
あらすじ
ロシアで奪われた電磁波攻撃兵器「ゴールデンアイ」の行方を追うジェームズ・ボンド。
シリーズ第17作目。ピアース・ブロスナン版シリーズ 第1作目。130分。
感想
落下する無人の飛行機にジェームズ・ボンドが飛び乗る冒頭のアクションがすごかった。スタントマンが実際にやったらしいが、無茶なシーンでハラハラさせられた。その前のダムでのバンジージャンプと併せて、掴みはOKといったところだ。
ピアース・ブロスナンは正統派の男前で、ジェームズ・ボンド役にぴったりはまっている。ときおり見せる眩し気に目を細める表情などは、どうやったら男前に見えるのかをよく分かっている。
この映画は、昔テレビでやっていたのを見た事があり、その時はこのシリーズも随分と現代的になったなと思ったものだが、いま改めて見てみるとやはり昔の映画といった雰囲気が漂っている。30年近くも前の映画なのだから当然といえば当然だが。パソコンがようやく一般に普及し始める頃なので、IT機器もまだ特殊な人たちが使うもの、といった描写となっており、昔の映画の趣だ。そんなに変わっていないようで、映画も進化し続けているということだろう。
主人公が今回戦う相手は、ロシアのテロリスト集団だ。スリルが大好きな女兵士に少しイカれた天才ハッカー、大物なのになぜか小物感が漂う将軍と、なかなかの個性派ぞろいとなっている。それなのに女兵士はともかく、その他のキャラたちはどんな背景があるのか不明の上、その後どうなったのかすらも曖昧なので、物足りなさを感じてしまった。
もうちょっと彼らのことを深く描いて欲しかった。とはいえ、すでに2時間を超える作品なので、それもやり出したらとんでもない長さになってしまいそうだが。
映画中盤で、主人公とは関係のない所でゴールデンアイの話が続き、少しダレてしまったが、その後はしっかりと盛り返す。特に、主人公が戦車に乗ってロシアの街中を傍若無人に走り回ったシーンは、無敵状態で気持ちがよかった。もうこのまま最後までこれで戦ってしまえばいいのに、と思ってしまうほどの爽快感だった。
スタッフ/キャスト
監督 マーティン・キャンベル
原作 イアン・フレミング
製作 マイケル・G・ウィルソン/バーバラ・ブロッコリ
出演 ピアース・ブロスナン/ショーン・ビーン/イザベラ・スコルプコ/ファムケ・ヤンセン/ゴットフリード・ジョン/アラン・カミング/ジョー・ドン・ベイカー/ロビー・コルトレーン/ジュディ・デンチ/サマンサ・ボンド/デスモンド・リュウェリン/チェッキー・カリョ
音楽 エリック・セラ
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