★★★★☆
あらすじ
引退したマフィアの元ボスが襲撃され、復讐に乗り出す。
感想
ジャン・レノ演じる主人公の引退したマフィアの大物が襲撃されて物語が始まるわけだが、いやいやもう無理、終了でしょ、と思ってしまうくらいの襲撃っぷりだった。おかげで、夢オチとか双子とか影武者とか、映画が続行するための色々な可能性を無駄に考えてしまった。
だけど正解はシンプルに、瀕死から奇跡の復活。不死身すぎる。さらには動けるようになるまでの回復も早い。マフィアの大物は頭が良いとか喧嘩が強いとかだけじゃなくて、生命力が強い、みたいな動物としての根源的な強さが何よりも必要なのかもしれない。
映画はハードボイルドな雰囲気を漂わせながら進行する。登場人物が多くて、最初はそれぞれを認識することや、関係性を把握するのに戸惑ってしまったが、実情を掴めるようになるとただの内輪揉めでシンプルな話だということが分かってくる。内輪なだけに、その分それぞれの感情は複雑なものになる。
神出鬼没で確実に一人ずつ復讐を果たしていく主人公。「レオン」の殺し屋ばりに優秀だ。あまり完璧すぎるとヒール感が出てきてしまうが、その分、身内や家族が襲われた時の苦悩の表情を見せることでうまくバランスが取れている。女刑事と取引するときのシーンが印象的だったが、ジャン・レノの演技力が光っている。
細かい部分で良く分からない所はあったが、全体としては楽しめた。最後は薄々気づいていた驚きの展開。その決着のつけ方は一瞬、ん?と思ったが、よく考えてみれば理に適った腑に落ちるエンディングだった。確かに彼のその行動が無ければ、本当に序盤で終了せざるを得ない展開になっていたはずだ。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/出演 リシャール・ベリ
製作 リュック・ベッソン/ピエランジュ・ル・ポギャム
出演 ジャン・レノ/ カド・メラッド/ジャン=ピエール・ダルッサン