★★★★☆
あらすじ
仲間の義弟をリハビリ施設に送っていくことになったいつもの三人組は、道中でギャングに襲撃される。
「ハングオーバー」シリーズ第3作目。100分。
感想
前作ではいつもの三人組ではなく、ケン・チョン演じる中国系マフィアがメインの映画になってしまっていたが、今作では開き直ったかのように彼の脱獄から映画は始まる。また、同じフォーマットだったプロットも今作では刷新されている。前作で同じやり方では第一作目を超えられないことがはっきりしたので、これは妥当な判断だろう。
今作はいつもの三人プラスこの中国系マフィアの4人によるクライムコメディといった趣だ。もうタイトルの「ハングオーバー(二日酔い)」は関係なくなってしまったように感じるが、過去のシリーズとつながりのある出来事なので大きな視点で見れば関係あると言えないこともない。
いつもの仲間が、トラブルメイカーの義弟をリハビリ施設に送る途中、突然ギャングに襲撃される。そして一人が人質に取られ、残りの三人が彼を助けるために中国系マフィアの行方を追うことになるストーリーだ。ドタバタコメディの中にクライムサスペンスの要素も加わって新鮮味があった。
そしてマフィアの行方を探して奮闘することが、いつの間にか義弟のリハビリにもなっていたというプロットでよく出来ている。各シーンでのギャグもそれなりに面白い。義弟が父親の葬儀で天使の歌声を聴かせるシーンには思わず笑ってしまった。
フォーマットに囚われないことで先の読めない展開となっており、余計な比較をしてみる必要もないので純粋に楽しめた。これまでとは全くコンセプトの違う内容にちょっと裏切られた感もなくはなかったが、最後の最後にこのシリーズのらしさが詰まった場面を用意していたのは心憎い演出だ。ニヤリとさせられて、いい余韻が残る。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 トッド・フィリップス
出演 ブラッドリー・クーパー/エド・ヘルムズ/ザック・ガリフィアナキス
ケン・チョン/ヘザー・グラハム/ジェフリー・タンバー/ジャスティン・バーサ/ジョン・グッドマン/メリッサ・マッカーシー/マイク・エップス/ジェイミー・チャン
音楽 クリストフ・ベック
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前作 シリーズ第2作目