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「馬鹿まるだし」 1964

馬鹿まるだし

★★★☆☆

 

あらすじ

 一晩泊めてもらった寺の長男の妻に惚れ、その町で暮らし始めた男。シリーズ第1作。

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感想

 戦後間もない瀬戸内の町が舞台だ。子どもたちが集まって遊んでいるシーンがあるのだが、それが五寸釘を地面に突き刺していくゲーム。なんて恐ろしい遊びなのだと怖かった。ただ、モノのない時代だった当時のよくある遊びのようで、こういう感情を持ってしまうのは、現代ならではという事なのだろう。しかし、当時の子どもたちは五寸釘を持ち歩いたり、お気に入りの五寸釘があったりしたのだろうか。

 

 主人公は頭は良くないが人のいいシベリア帰りの男。皆のために庭に木蓮の花を植えたり、何かを頼まれたら喜んで応えようとするような男だ。そんな男が巻き起こすドタバタ喜劇、なのだが、そんなに笑える場面は無かったりする。これは50年以上も前の作品なので仕方がないのかもしれない。

 

 

 個人的にハナ肇は、良く分からないおじさん、というイメージだったので、若い頃はこんなたくましいワイルドな雰囲気だったのかと意外だった。その後の「男はつらいよ」シリーズに登場する役者たちも皆若い。当たり前のことだが、誰にでも若い頃はあるのだなと感慨深くなる。

 

 おそらく当時の人たちは主人公の善良で愚直、そして豪快な部分を痛快に感じたのだろう、という気はした。シンプルで分かりやすく、観ていて気持ちがいい。いつの時代の人も、こんな生き方がしてみたいと思いながら、それが出来ずに日々を暮らしているのかもしれない。

 

 陽気な感じで進んでいた物語が、終盤に少ししっとりするのが山田洋次監督らしさがある。前振りがしっかり利いた場面もあって、上手くまとめられていた。渥美清も出演しているが、映画全体が「男はつらいよ」につながっていくその片鱗を感じられる作品だ。

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スタッフ/キャスト

監督/脚本 

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脚本 加藤泰

 

出演 ハナ肇/桑野みゆき/犬塚弘/桜井センリ/安田伸/長門勇/三井弘次/花沢徳衛/長谷川竜男(竜雷太)/藤山寛美/植木等/石橋エータロー

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音楽 山本直純

 

馬鹿まるだし - Wikipedia

 

 

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