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「破門 ふたりのヤクビョーガミ」 2017

破門 ふたりのヤクビョーガミ

★★★★☆

 

あらすじ

 映画製作の出資金を持ち逃げされたヤクザの男は、建設コンサルタントの男を引き連れて、金を回収するために奔走する。

 

感想

 主人公のヤクザを演じる佐々木蔵之介が、振り切って演じていて面白い。ヤバい状況になればなるほど、なんだか楽しそうに目ん玉をひん剥きながら相手に向かっていく。それでいてちゃんと仁義のある有能さを持ち合わせていて、人間的魅力に満ちている。

 

 その一方で、主人公の相棒の建設コンサルタントを演じる横山裕の演技はだいぶ残念な感じになってしまっていた。多分演技はそんなに下手ではないと思うのだが、人を笑わせる演技が出来ていない。主人公との間で何度も面白いやりとりをしているのだが、テンションが低すぎて全然笑える雰囲気を作れていない。観ていても、ここは面白いシーンだなと真顔で思うだけで全然笑えない。元気なキャラではなく、ボソッと面白いことを言うキャラなので難しいのだと思うが。

 

 

 ただ、これでOKが出ている訳なので、監督がこれで十分笑いが取れるだろうと思っている可能性もある。それだったら可哀想だが、橋爪功ら他の役者陣がみな良い演技をしている中でだいぶ損をしてしまっている印象だ。

 

 とは言え、主人公のぐいぐい引っ張っていくキャラクターだけで全然楽しめる映画。ただもうちょっと設定が分かりやすいと良かったかなとも思うが、今どきの詐欺やヤクザのしのぎなんて、そんなにシンプルな仕組みのものなんてないのかもしれない。それから中途半端に登場する北川景子やマンハッタンズの曲などは、何だったのだ?と思わなくもないのだが、映画の賑やかしだと考えるべきか。曲に関しては、エンドロールでも流せばまとまりが出たと思うが、そう出来なかったのは大人の事情なのだろう。

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 十分満足できて面白かったのだが、もっと面白くなったはずなのに、と惜しむ気持ちにもなってしまう映画だった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 小林聖太郎

 

原作 破門 「疫病神」シリーズ (角川文庫)

 

出演 佐々木蔵之介/横山裕/北川景子/橋爪功/濵田崇裕/矢本悠馬/橋本マナミ/宇崎竜童/キムラ緑子/木下ほうか/佐藤佐吉/勝矢/山本竜二/佐藤蛾次郎/月亭可朝

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音楽 後関好宏/會田茂一/きだしゅんすけ

 

破門 (小説) - Wikipedia

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