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「スーパーマン」 1978

スーパーマン ディレクターズカット(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 崩壊寸前のクリプトン星を脱出して地球にやって来たクリプトン星人の子供は、やがて成長し、スーパーマンとして人々を助けるようになる。

 

感想

 幼いスーパーマンが脱出する直前のクリプトン星から映画は始まる。古い映画だが、SF感あふれる星の様子を描いた特撮映像がなかなかよく出来ていて感心してしまう。特に彼らが着ているいかにも宇宙ぽい衣装の表現が良かった。

 

 地球にやって来て成長したスーパーマンは、普段はクラーク・ケントとして冴えない新聞記者をやっている。彼には空を飛べたり、怪力だったり、鋼の肉体だったりとすごい能力がたくさんあるが、もしかしたら一番すごい能力は冴えない男を演じ切る演技力なのかもしれない。このグダグダの駄目さ加減を常に出し続けるのは、並大抵の集中力ではできないはずだ。アドリブ力や演出力だっている。これに比べたら他の能力は、何の努力もいらないわけで、ただ持ってる力を出すだけの楽なものに思えてくる。

 

 

 やがてスーパーマンは、ジーン・ハックマン演じる悪玉と対峙することになる。ところで、いつも不思議に思っていたのだが、なぜ昔のアメコミの悪玉は、必ずコミカルさを出そうとするのだろう。しかも大抵全然面白くない。いつもこれで気持ちが冷めてしまうので、昔のアメコミ映画は苦手だった。

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 そしてそれはこの映画でも同様で、悪玉の部下たちが面白くもないコメディを演じている。またかと残念な気持ちになってしまった。ただこの悪玉は、ほとんど情報がないスーパーマンの事を一瞬で理解し、弱点も見抜いてしまって恐れる事はなく、しかも面識のない彼を一発で呼び出す事まで出来てしまうのだから凄すぎる。スーパーマンよりも全然凄いのでは?と思ってしまうぐらいだ。もしかしたらそんな男を普通に悪玉として描いてしまったら、あまりに完璧過ぎて子供が怖がってしまうので、安心させるために敢えてコミカルに描くようになったのかもしれない。

 

 この悪玉の無駄なコミカルさを除けば、プロットもしっかりしているし、爽快なアクションがあってユーモアもあり、さらにはヒロインとのロマンチックなシーンまであるので、きっと誰もが楽しめる娯楽映画となっている。ラストもスーパーマンが悲しみで自棄になって地球をグルグル回っているのかと思ったら、そんな事が出来ちゃうの?というような驚きの展開。それがありなら何でもありになっちゃうよと思ったのだが、でもなんだか笑って許せてしまうおおらかさのある作品だ。

 

スタッフ/キャスト

監督 リチャード・ドナー

 

脚本/原案 マリオ・プーゾ

 

脚本 デイヴィッド・ニューマン/レスリー・ニューマン/ロバート・ベントン/*トム・マンキウィッツ

*クレジット無

 

出演 クリストファー・リーヴ/マーゴット・キダー/マーロン・ブランド

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ネッド・ビーティ/ヴァレリー・ペリン/ジャッキー・クーパー/グレン・フォード/スザンナ・ヨーク/トレヴァー・ハワード/マリア・シェル/テレンス・スタンプ/サラ・ダグラス/ジャック・オハローラン/ジェフ・イースト

 

音楽 ジョン・ウィリアムズ

 

編集 スチュワート・ベアード/マイケル・エリス

 

スーパーマン (1978年の映画) - Wikipedia

 

 

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