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「残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―」 2016

残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―

★★☆☆☆

 

あらすじ

  読者から寄せられた心霊体験に興味を持ち、調べ始めた小説家。

 

感想

 女子大生が話すマンションの一室で起こる心霊現象に興味を持った小説家。そこで起きた過去の出来事を調べているうちに、部屋からマンション全体、そして土地の歴史を遡るようになる。

 

 まるで「ファミリーヒストリー」の土地版を見ているような気分。近所の人たちにかつての住人達の様子についてインタビューしていく。今はマンションだったが、昔は4軒家が建っていて、その前は長屋でみたいな、土地の歴史を見ていくという意味では単純に面白い。長嶋有の「三の隣は五号室」を思い出した。

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 霊に怯え慄くというよりも、この土地でかつて何があったのかを探っていくミステリーといった感じ。心霊現象はそのきっかけみたいなもので、別にホラー映画ではなくてもいい様な気さえした。

 

 次第に、数々の不思議な出来事が起きていたことが明るみになり、そこからさらに歴史を遡っていく。こんなに色々起きるのだからさぞや忌まわしい出来事があったのだろうと思っていたのだが、原因を知って拍子抜けしてしまった。確かに酷い出来事ではあるが、特殊ではなく、わりとどこにでも良くある話。なぜこの出来事だけが、数々の心霊現象を引き起こすことになったのかが謎だ。

 

 

 霊は人や土地に憑いて伝染するように広がっていくという事なのだが、それだと逆に怖くないような気がする。滅多にない事だから怖いのであって、どこにでもあると言われたら、ビビっているのがバカらしく感じてしまう。

 

 この映画の中ではその土地の歴史の中で生まれた色々な幽霊が登場して、まるで幽霊の群像劇みたいだ。そのせいで、何か恐ろし気な心霊現象が起きても、誰?とか、なんで?ばかりが気になって、怖い、とはならない。怪談話をいくつも繋げただけの話のように思えてしまった。せめて、そのなかで主人公的な幽霊を一人用意して活躍させたら、映画の芯のようなものが出来たのかもしれない。

 

 それから物語の性質上、近隣の人などにインタビューするシーンが多く、登場人物たちの動きは少ない。場所は変わるが、じっと座っているシーンが多い。おそらく気にしなければ全然気にならないのだろうが、一度気になると物凄く気になって、閉塞感から段々と息苦しくなってしまった。

 

 そして、主人公の小説家を演じる竹内結子の作り込んだ演技がクサ過ぎて辛かった。ナレーションもしているのだがそれもクサい。声は良いのでもっと自然体でやって欲しかった。彼女は身なりにあまり気を使わないような、ちょっと変人ぽい役を演じるのが好きなようだ。悦に入っているのが伝わってきて嫌な感じ。

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 主人公らが土地の歴史をたどっていくと、九州の資産家の家にたどり着く。謎を追う一行はそこをなぜか夜に訪れる。こういう昼に訪れたらよいのにわざわざ夜に訪れるような、進んでホラー的状況に自らを置くような展開をするから個人的にホラー映画は楽しめない。そういう誘いが下手くそだと途端にリアリティがなくなって冷めてしまう。

 

 映画は、あまり怖さを感じないホラー映画だった。ホラー映画が怖くないという事は、面白くなかったという事になるのだろう。

 

スタッフ/キャスト

監督

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脚本 鈴木謙一

 

原作 残穢(ざんえ) (新潮文庫)

 

出演 竹内結子/橋本愛/滝藤賢一/佐々木蔵之介/成田凌/坂口健太郎/不破万作/上田耕一

 

音楽 安川午朗

 

残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―

残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―

  • 発売日: 2016/06/09
  • メディア: Prime Video
 

残穢 - Wikipedia

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