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「ジョン・ウィック:コンセクエンス」 2023

ジョン・ウィック:コンセクエンス

★★★★☆

 

あらすじ

 業界の掟を破って命を狙われる殺し屋の男は、粛清を免れるために組織に働きかけようとする。

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 シリーズ第4作。キアヌ・リーブス主演、ドニー・イェン、真田広之、リナ・サワヤマら出演。原題は「John Wick: Chapter 4」。169分。

 

感想

 凄腕の殺し屋を描く第4弾だ。シリーズが続くと煮詰まった感やマンネリが出てくる。すでにこのシリーズは前作でそれに陥ってしまっていたが、今作はこれでもかとアクションをやることで、もはやこれまでの経緯や細かいことなんてどうでもいいと思わせてしまった。かなりの力技だが、前作で生じた不安を見事に払拭している。

 

 主人公は大阪、ドイツ、パリでとにかく人を殺しまくる。ただそれだけだし、大阪パートなんてストーリー上必要だった?と思わなくもないが、全然楽しく見ていられる。大阪では刀や弓矢、ヌンチャクを使い、力士が出てきたりもするし、パリではドリフトでグルグル回りながら銃を撃ちまくったりとバリエーションが豊富で、まったく飽きさせない。

 

 

 中でも火力強めの銃器を使い、ゲームのようなカメラワークで敵を倒しまくる場面は美しく爽快感があった。「The Hong Kong Massacre」というゲームを参考にしたらしい。

 

 そして激しさの中にコミカルさもある。大阪パートで何度も太鼓に叩きつけられてその度に間抜けな音が鳴り響いたり、パリの凱旋門で主人公も含めた何人もが車に轢かれまくったりするシーンなどは、思わず笑ってしまった。長い階段を敵を倒しつつなんとか上って行ったのに、中ボスに下まで突き落とされ、一瞬で振出しに戻ってしまったクライマックス直前のシーンは、徒労感に思わず苦笑してしまった。

 

 今作は、主人公の古い友人で敵役となる男を演じるドニー・イェンが魅力的で素晴らしかった。盲目のクセのある殺し屋で、まるで現代の座頭市とでもいうような得体のしれない存在感を放っている。彼は正統派の二枚目役よりも、今回のようなくせ者を演じる方がハマるような気がした。ひとりだけキレが違う動きも気持ちよかった。

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 紆余曲折あった物語を、最終的には決闘というシンプルで分かりやすい形にまとめてしまう手腕も上手い。オチも見事に決まって、細かいところはともかく、すっきりとした気分で見終えることが出来た。

 

 怒涛のアクションが楽しい映画だ。2時間半以上の時間をたっぷりと堪能できる。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 チャド・スタエルスキ

 

脚本 シェイ・ハッテン/マイケル・フィンチ

 

出演 キアヌ・リーブス/ドニー・イェン/ビル・スカルスガルド/ローレンス・フィッシュバーン/真田広之/シャミア・アンダーソン/ランス・レディック/リナ・サワヤマ/スコット・アドキンス/イアン・マクシェーン

 

音楽 タイラー・ベイツ/ジョエル・J・リチャード

 

ジョン・ウィック:コンセクエンス - Wikipedia

 

 

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