★★☆☆☆
あらすじ
1960年代の香港。中国本土から香港に渡った男は、知り合った警官と手を組み、裏社会でのし上がっていく。
ドニー・イェン、アンディ・ラウら出演。実在した人物を題材にした映画。「追龍(ついりゅう)」。128分。
感想
何の当てもなく中国本土から香港に渡った男が主人公だ。序盤は彼が成功のきっかけを掴むまでが描かれる。しかし、彼に特別な目的があるわけではないので話の方向性が見えず、かなり退屈だった。ただ、実在した人物の話ということなので、彼が将来、裏社会の大物になると知っていれば、また見え方は違っていたのかもしれない。
主人公はその日暮らしの荒っぽい生活を送っていたが、ある警官と知り合ったことできっかけを掴んだ。がむしゃらに生きていたら、形になってきたということなのだろう。若い頃なんてそんなものだ、気がつけば、進むべき道が見えている。
主人公は警官と癒着することで、裏社会の大物となっていく。しかし、 大きな力を手に入れるにつれ、親密だった警官との間に緊張が生じるようになった。友情と疑念がない交ぜとなったヒリヒリとするような二人の関係が展開されていく。だが、主人公が暴走しそうになるのを警官が止めるだけで、それほど対立しているようには見えなかった。
また、仲間との絆や家族への思いもしっかりとは描かれておらず、ライバルたちとの権力争いも断片的で、全体的に表面的で深みのないドラマとなっている。ディテールのわからないダイジェストを見ているような気分になって、なかなか話に入っていけなかった。
一見クールな印象を受ける映像や音楽も、突き抜けてはおらず、絶妙にダサくなっている。ノスタルジックな雰囲気を出そうとしているのも悪影響を与えているのかもしれない。
そして主演のドニー・イェンの演技が、芝居がかっていて臭みがある。熱演ぶりは伝わってくるのだが、若い頃の変な髪型などはノイズとなって逆効果だ。他の出演映画でもそうだが、彼の熱心さが功を奏したことはあまりないような気がする。「ジョン・ウィック:コンセクエンス」でのキャラクターくらいだろうか。
裏社会の犯罪者と汚職警官の話だが、当時統治していたイギリス人の横暴さを強調することで、彼らに感情移入できるように促している。
クライマックスは、散々痛い目に遭わされてきたイギリス人警官への復讐だったが、その程度でいいのか?と肩すかし感があった。もっと権力の中枢を攻めて欲しかったが、実話ベースなので、 一介の犯罪者と警官にできるのはこれが限界、ということなのだろう。他国に統治されることの辛さや、自立することの重要性がひしひしと伝わってくる。
やりたいことは見えるが、噛み合っていないちぐはぐさを感じてしまう映画だ。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 バリー・ウォン
監督/撮影 ジェイソン・クワン
製作/出演 ドニー・イェン/アンディ・ラウ
出演 フィリップ・キョン/ケント・チェン/ユー・カン/フェリックス・ウォン/ブライアン・アーキン/ベン・ウ
音楽 チャン・クォンウィン
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