BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ノウイング 」 2009

ノウイング

★★☆☆☆

 

あらすじ

 妻を失い失意に沈む大学教授は、50年前の小学生が残した数字を羅列しただけの手紙が、数々の大惨事を予言したものであることに気付く。

www.youtube.com

 

 ニコラス・ケイジ主演。121分。

 

感想

 50年前に書かれた謎の手紙が、未来を予知したものであることに気付いた大学教授が主人公だ。序盤は50年前の手紙が書かれた経緯と、現代の主人公がそれを受け取るまでが描かれる。思わせぶりな展開でそれなりに興味は引くのだが、なかなか本題が見えてこない鈍重なテンポと暗い雰囲気に重苦しさを感じてしまう。

 

 主人公は謎を解き、手紙が未来の惨事を予言していたことに気付く。そして予知に基づき、事前に警告したり、現場で注意を促したりとするのだが、結局それを防ぐことは出来なかった。それはそれでいいのだが、彼が動いたことで少しは結果が変わったのか、そのあたりを明確に示してくれないのは困惑した。

 

 

 変わったのなら動く価値があるし、変わらないならやっても無駄で、今後の行動に影響する重要なポイントだ。すべての事象はあらかじめ決まっているのか、それとも単なる偶然の産物に過ぎないのかというのは、この映画の大事な問いのひとつでもあるのに、言及しないのはいかがなものかと首をひねってしまう。

 

 そして主人公は、人類の最期が迫っていることを知る。地球を覆いつくす大災害がやってくるのだが、そのレベルだと未来を予知できたとて、できることは何もなく、ここからは単なるディザスタームービーと変わらない展開となる。これまでのくだりは何だったのだと脱力してしまう。それなら普通に地球滅亡のパニック映画でも良かった。惨事の映像は見ごたえがあっただけに、余計にそう思う。

 

 最後は「未知との遭遇」的な展開となる。最初は未来予知、続いて大災害、そして宇宙人と、ジャンルを転じながら進行する構成だ。それ自体は構わないが、さあこれから、という時にいつも別の話にすり替わるので興ざめする。起承転結の「転」をやらずに、別の「起」を始めてしまうので、そのたびに話の腰を折られたような気分になる。

bookcites.hatenadiary.com

 

 そして振り返ってみると、主人公は何もやっていない。ただ流れに身を任せていただけだ。予知の手紙を手に入れなかったとしても、結果はたいして変わらなかっただろう。妻を失い、世の中は偶然の連鎖に過ぎないと思うようになった主人公に、そうではなく運命なのだと言っているのかもしれない。

 

 ただ、「もう一度やり直す」と言っていた宇宙人的な者たちも、やり直すと分かっていたのにやり始めたわけで、結局彼らも運命から逃れられない人間とさして変わらない存在ということになる。超越的な存在として描こうとしていたようだが、そこに矛盾があるような気がした。

 

 「終末は必ずやってくる」という宗教的な示唆を感じる映画だ。キリスト教的な価値観を多少でも持っている欧米の人なら、それなりに感じるところがあるのかもしれないが、そうでないと「まったく何なんだよ」としか思えないかもしれない。宇宙人的な存在をちらつかせるあたりから、だいぶダルかった。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 アレックス・プロヤス

 

脚本 ジュリエット・スノードン/スタイルズ・ホワイト

 

原案/脚本 ライン・ダグラス・ピアソン

 

出演 ニコラス・ケイジ/ローズ・バーン/チャンドラー・カンタベリー/ララ・ロビンソン/ベン・メンデルソーン/ナディア・タウンゼンド/アラン・ホップグッド/エイドリアン・ピカリング/リアム・ヘムズワース

 

音楽 マルコ・ベルトラミ

 

ノウイング

ノウイング

  • ニコラス・ケイジ
Amazon

ノウイング - Wikipedia

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com