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「光の旅人 K-PAX」 2001

光の旅人 K-PAX (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 惑星K-PAXからやってきたと主張する精神科の入院患者は、不思議な力で周囲に影響を与えるようになる。

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感想

 宇宙人を自称する男が主人公だ。不思議な力で精神病棟の他の患者やスタッフ、医師にまで影響を与えていく。わりと良くある方式のヒューマンドラマだが、この主人公を演じるケヴィン・スペイシーが素晴らしい。彼の魅力でグイグイと引き込まれてしまう。もしかして本当に宇宙人なのでは?と思ってしまうような説得力があった。

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 主人公が他の患者たちの心を魅了していく様子はまるで宗教のようだったが、実際の宗教もこんな感じの人がやっているのかもしれない。それと同時に、患者たちとそうじゃない人たちを分けるものは何もないのかもとも感じた。入院患者たちが普通に社会生活を送っていても不思議はないし、逆に誰だって入院させられてしまうような何らかの精神的な問題が見つかるような気もする。

 

 

 主人公だって巡り合わせが違っていれば、教祖やインフルエンサーなどの有名人になって大豪邸で暮らしていたかもしれない。考えてみればそんな有名人は今の世の中にたくさんいる。病院にいるか、大豪邸で暮らすかは運だけの問題でしかないような気がする。

 

 後半は主人公の本当の姿が探られていく。本当に宇宙人の線もあり得るなと思っていたくらいなので、このパートは一気に現実に引き戻されていく寂しさがあった。だがここでもケヴィン・スペイシーが良い演技で魅せる。宇宙人になり切った自信満々の姿だけでなく、脆さを感じる心を病んだ本当の姿まで表現していて凄みがあった。どちらかだけではなく、どちらも出来る演技の幅広さがすごい。そしてそれを受ける医師役のジェフ・ブリッジスも地味にいい仕事をしている。

 

 主人公が故郷に帰ると宣言し、他の患者たちが自分も連れて行って欲しいと浮足立つ終盤は、それこそまるで新興宗教の終末の到来を予言した教祖とそこに集う信者たちのようだった。ヤバそうな雰囲気に満ちていて、どうなる事かとドキドキしてしまったが、都合の良い展開ではあったがうまくまとめられていた。

 

 前半の主人公が魅力的だっただけに、敢えてわざわざ彼の正体を暴かなくても良かったのにと思ってしまう。すべてに理屈や理由を与えるのではなく、もっとファンタジーな余地があっても良かった。だがそれらを補って余りあるケヴィン・スペイシーの演技を堪能するための映画と言えるだろう。マジックな空気を作る劇伴音楽もなかなか良かった。

 

 

スタッフ/キャスト

監督 イアン・ソフトリー

 

原作 光の旅人 (角川文庫)


出演 ケヴィン・スペイシー/ジェフ・ブリッジス/メアリー・マコーマック/アルフレ・ウッダード/デヴィッド・パトリック・ケリー

 

音楽 エド・シェアマー

 

光の旅人 K-PAX (字幕版)

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光の旅人 K-PAX - Wikipedia

 

 

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